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1月の北海道、死亡交通事故が急増。歩行者被害を防ぐためにできること

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「昨年せっかく過去最少を更新したのに。一体なぜ?」

 1月がまだ終わらないというのに、北海道では、交通事故で亡くなる人が昨年を上回るペースで増えています。

 2024年(令和6年)1年間に北海道内で発生した交通事故による死者数は104人。過去最も少なかった22年の115人を下回り、過去最少を更新しました。

 これは、統計が残る1947年(昭和22年)以降、最も少ない数字でした。最も多かった1971年(昭和46年)の889人と比べると、約9分の1まで減少したのです。

 事故の発生件数は8,743件(前年比339件減)、負傷者数は10,297人(同304人減)と、いずれも減少。長年の交通安全の取り組みが、実を結んだかに見えました。

年明けから一変

 喜びもつかの間、2025年に入り、状況は一変します。

 1月27日現在、道内の交通事故死者数は12人にのぼり、昨年の同じ時期と比べて8人も多くなっています。このペースが続けば、せっかくの減少傾向に歯止めがかかってしまう可能性があります。

 気がかりなのは、事故の発生件数は578件(前年同期比89件減)、負傷者数は656人(同146人減)と、いずれも減っているにもかかわらず、死者数は増加している点です。

 この数字は他都府県と比べても深刻です。北海道の死者数は、神奈川の15人(前年同期比8人増)に次いで、全国ワースト2位。全国の死者数は同13人増の205人で、中でも北海道の増加が目立っています。

浮かび上がる1月の事故の特徴

 道内で発生した死亡事故12件のうち7件が、道路を横断中だったり、道路上にいた人が被害に遭う事故でした。発生時間帯を見ると、朝や日が暮れた後の帰宅時間帯に集中しています。

 1月という時期に特有の傾向がないか、過去5年間に発生した道内の死亡・重傷事故の統計をひもとくと、歩行者が被害に遭う事故、出会い頭の事故―の順に多く、歩行者事故は、夕方4時から夜8時に多くなっています。

 歩行者の横断する方向に注目してみると、横断中の死者のうち、全体の約9割が、運転手から見て、右から左へ横断してはねられています。歩行者は対向車線側からも出てくることを想定した運転が必要になります。

 道警は1月20日に公開した交通安全情報の中で、歩行者被害の重大事故続発を取り上げ、注意を呼びかけています。

わたしたちにできること

 交通事故を防ぐために、できることがあります。

 運転する立場として大切なのは、「慣れ」を警戒すること。毎日通る道だからこそ、いつもと違う点はないか、危険を予測した運転が何よりも重要となります。朝夕の時間帯は、より慎重さが求められます。

 横断歩道に近づいたときは、必ず速度を緩めて周囲を確認する、雪や雨で視界が悪い時ほど、余裕を持った運転を心がける必要があります。

 歩行者も、夜間や早朝の外出時には、反射材を身に着けたり、目立つ色の服を着るなど、運転手からの視認性を高める手立てを講じてることで、事故に遭うリスクを減らすことができます。

 昨年達成した記録は決して偶然ではなく、一人一人の意識と努力の積み重ねがもたらした結果でした。これからも、かけがえのない命を守るために、できることをいま一度、考えてみたいと思います。


*本記事で使用している数値は2025年1月27日現在のものです。
出所:北海道警察 人身事故発生状況令和6年中の交通事故概況確定数全道1月中の交通事故分析について(過去5か年死亡・重傷事故) 

 …交通安全に本当に微力ながら携わらせていただいており、死亡事故ゼロ、事故防止につながる記事を不定期で投稿しています。



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