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『嫌われる勇気』300万部突破記念トークイベント@紀伊國屋ホール

9月25日、『嫌われる勇気』のトークイベントに行ってきました。

開場時間より早めについて、劇場事務所で領収書を発行してもらっている間、リハーサルの様子が聞こえてきました。なんだかトクした気分です。
時間までは売り場で本を眺め(主に心理学)平積みの本で流行を知ったり、専門書を探ったりできるのも、書店の良いところです。

入場すると、書斎のような舞台セットの前に椅子が2脚置いてありました。このセットは舞台版の『嫌われる勇気』のセットそのものだそうで、当日も昼公演がありました。

舞台は本のように哲人と青年の対話ではなく、一見アドラーから遠いと思われる事件を通して描かれているそうで、だから舞台に取調室のような一角があったのですね。舞台は29日まで。

イベントは、特に反響の多かった「課題の分離」の話(私も好き!)に続いて、後半はあらかじめ寄せられた質問への回答という構成でした。

その、課題の分離の部分の朗読があるとのことで、哲人には舞台版の教授役である俳優の大鷹明良さんが登場されました。青年にはご著者のお一人、古賀史健さん。最前列にいたので古賀さんの緊張感が伝わってきました。

岸見先生はオンライン登壇で、ご発言の時に舞台の奥に投影されました。

課題の分離については
「周りの人に嫌われてもいいから線を引け」
「依頼をNoと断ること」
ではないと強調されていました。誤解が多いそうです。

”あなたのために” と何かしてしまうことは他者の課題に土足で踏み込んでいることであり、その事で忙しくなってストレスを感じるのは本末転倒だ、とも。また、与えてばかりいると見返りを求めるようになってしまうのも落とし穴だそうです。

よくギブアンドテイクとか「ギバーになれ」とか言いますが、この場合は他者の課題に踏み込むのではなく「共通の課題」と認識がある時に、持てる知識や技能を与えるということなのかなと思いました。

対人トラブルは、
・他人の課題に土足で踏み込むこと
・自分の課題に土足で踏み込まれること
で起こります。

この考えは私にはしっくりきて、カウンセリングでも
「それは組織の問題であって、あなたが悩むところではないのでは」
など言うことがあります。

悩んでいる人にとっては大きな塊でも「ここは会社の問題」「こっちは上司の問題」と外していくと、自身の課題が思ったより小さいこと、現実的に取り組めそうなことに気づいてホッとされる方が多いです。

Q&Aも色々あって面白かったです。残念ながら、私はこういう時に質問が浮かばないのです。

いや質問はあるのですが「こんなクライエントにアドラーならどう返す?」だったので、公表するわけにもいかず……これは仕方ないですね。

『嫌われる勇気』の話を聴いて、帰りの電車で『嫌われる勇気』を読む幸せよ。ところで、文庫版の発売は未だでしょうか。

#嫌われる勇気 #トークイベント #新宿 #紀伊國屋ホール  

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