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GW明けからは五月病と称される不調の相談が増えるかと思えばそうでもなく、やや肩透かしでした。症状に気づいて医療機関を受診しているのだったら良いのですが。

振り返ると、7月に多かった相談内容(電話)がありました。

試験に失敗した。死にたい。

え、ちょっと待って、飛躍しすぎやしませんか?でも、これがクライエントの心情ですから、丁寧に聞いていくことにしましょう。何件か受けると、共通点が見えてきました。


中学1年生

日々の勉強の仕方が確立していなかったり、生活のリズムが整っていなかったり、試験対策ができていなかったり、ということが原因かなと思いました。

「試験の3週間前から勉強したのに、全然できなかった」
と言われ、そんなに前からやったのに!?と、試験3日前に部活動が停止になってから本腰を入れていた私は驚きました。

親御さんからの相談は
「勉強しない。勉強しろというとキレる」
「ゲームやスマホばかりしている」
が多かったでしょうか。

この年代で、勉強しないことを自己責任にしてしまって良いのか、悩みどころですよね。ただ、この頃からゲームやスマホに依存してしまうと、脳への悪影響や、大人になって他の依存(買物、アルコール、薬物等)へ移行しないか心配です。

高校1年生

受験を経て違う中学から集まってきた同レベルの生徒たちでしょうから、中学では成績の良かった子でも同じ勉強法ではついていけないかもしれません。

また、部活の強豪校ですと練習時間に多くを取られ、勉強時間が確保できない、身体が疲れて寝てしまう、ということもあるようです。

親御さんからの相談ですと、上記の勉強時間の他に
「反抗期で手に負えない」
「どうも悪い友達ができてしまったようで心配」
「行動半径が広がり、前もって言わずに遠いところへ出かけている」
など行動面の不安が多かったです。

大学1年生

高校でも選択科目はあるでしょうが、大学になると更に自由度が上がり、履修は自分次第。まずここからつまずくケースがあると聞きます。特に、やることが決まっている学校の勉強が得意だった子ほど、自由と言われると戸惑いが大きいのだとか。

学費を出してくれる親の希望と、自分の希望する学部が違うから合わない、という話もありました。学費を出すから〇学部へ行け、と。転部や留年もできず、追い詰められてしまったようです。

「〇学部だからってXXにならないといけないわけじゃないし、〇学部を卒業して企業の△△部門なんてカッコイイけどな」
「え…?そうですか?(声が明るくなる)」
「少し勤めてから、自分で稼いだお金でまた大学に入り直すという手もあるし。私もそう」

今回の試験についても追試を受けて、履修の悩みや勉強の仕方は学生課にでも相談して、落ち込みやすい気持ちについては学生相談室やカウンセリングルームがあるでしょうから、継続して通ってみては?と伝えると「そうしてみます」とちょっと明るくなって良かったです。

問題は、0か100かで考えてしまうことと、まだ色々な選択肢があると気づいていないことのようですね。

親御さんからは、大学入学を機に一人暮らしをしているケースでの相談が多かったように思います。
「もともと一つのことしかできない子なのに、授業とバイトと一人暮らしでキャパがオーバーみたい」
「落ち込みやすい子が、ちょっとうつっぽいと言っていて…」
初めての一人暮らしで、親御さんも心配だったようです。夏休みに沢山話せてると良いですね。


中学、高校、大学。進学した時の変化が大きすぎて、適応が難しかったのかなと思います。2学期(後期)から慣れていくでしょう。

8月下旬から、不登校の相談が増えたと言っている相談員もいます。夏休み明けは増えるかな、と私も思っていました。

コロナの前から不登校児童生徒の数は増え続けていますので、感染症によるリモート授業だけの問題ではないはずです。学校がすべてではありませんが、ではどこでどうやって社会性を身につけるのでしょう。安心な場って何でしょうね。

#学校 #試験 #不適応 #不登校 #産業カウンセラー #キャリアコンサルタント  

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