【展覧会】ポール・ケアホルム展 ─ 時代を超えたミニマリズム
パナソニック汐留美術館で開催中の『ポール・ケアホルム展』を鑑賞しました。
織田コレクション 北欧モダンデザインの名匠
ポール・ケアホルム展
時代を超えたミニマリズム
2024年6月29日(土)~9月16日(月・祝)
10:00~18:00 ※夜間開館日あり
※7月20日(土)以降、土曜日・日曜日・祝日は日時指定予約
パナソニック汐留美術館にて
平日の、夜のお仕事前に行きました。大江戸線でも行けるので、観終わったら汐留駅から乗れば良いことに気づいてニヤリとした次第です。この日も暑い日でしたが、どうせ出勤するならお楽しみをプラスして。
招待券だったので受付でもぎってもらうだけのところ、会場の説明がありました。最近はフォトスポットの説明があったのでそれかと思いましたら
「本展覧会は、この展示室を通って終わりまで行くと、緑のカーペットのところは撮影可能です。ルオーの部屋では椅子にお座り頂けます」
ふむふむ。
「そして、展示室をまた戻って、出口がそちら(入口の横)になります。往復することで、作品を360°お楽しみ頂く試みです」
こんな説明だったと思います。
3月に終了したフランク・ロイド・ライト展は身動きが取れないほどだったので、往復すると人の流れは大丈夫だろうかと一抹の不安はあります。この日は大丈夫でしたが、7月20日以降の日時予約制の時はお気を付けください。ここはキャパの割には予約を多く入れがちです。
💺
前置きが長くなりました。展示室に入りましょう。
『椅子研究家・織田憲嗣のコレクションを中心にケアホルムの主要作品を網羅した、日本の美術館では初めての展覧会』と説明にある通り、多くは織田コレクションで構成されています。
1.ORIGINS 木工と工業デザインの出会い
導入部、原点と足跡です。なかなかのイケメンが写っていました。51歳で早逝とは残念です。
2.DESIGNS 家具の建築家
ここがメインです。いつもの展示のように細かい区切りがないので、こんなに広い部屋だったのだなと思いました。暗くなっていて、高さ数十cm位の台に椅子やテーブルが並びます。かがんで天板の裏など覗く人が多かったです。
展示室内には織田憲嗣さんの解説が音声で流れています。そのため、「写真禁止」「お静かに」の表示のあるボードを持った係の方があちこちに立っています。
デザイン画もあり、サイズが違うだけでジュエリーと描き方は同じだなと思いました。これが上面、こっちが側面で、えぇ~、この機構だけで支えているのか……と、思わず下から覗いてしまう気持ちがよくわかりました。
3.EXPERIENCES 愛され続ける名作
現代におけるケアホルムの変容など。緑のカーペットが出てきて、撮影可能エリアだとわかりやすかったです。
Rouault Gallery
特筆すべきは、ケアホルムの椅子に座ってルオー鑑賞ができることでしょう。5脚あり、人気の椅子もありそうでした(なかなか空かない)。
実際に座れるのは、思った以上に良い体験でした。そして、戻る道すがら「あ、さっき座った椅子だ」と気づくと、また見方が違うものです。体験って大事だなぁ……。
いつもはルオーギャラリーの先が出口でミュージアムショップへ続きますが、今回はそこが閉じられていて入口に戻ります。一旦出てから、ミュージアムショップへ。
※もともとチケットがなくてもショップには入れます。
輸入の素敵なポストカードに目を奪われつつも、最近Postcrosing熱が冷めているので買わずに出ました。
ロビーで映像を観ます。織田憲嗣さんがここでもケアホルムを熱く語っていらっしゃいました。椅子研究家って……1500脚もお持ちなのだとか!私のコレクション(石)は小さくて良かったですよ……。北海道の収蔵庫が映っていましたが、庫も広大です。
織田邸で実際に使われているケアホルムのテーブルや椅子もありました。仕上げにこだわっていたようで、縫製が難しいという凹部の皮張りや、脚の金属を敢えて鏡面仕上げにしなかったり、テーブルもつるつるに磨いていなくて反射がなかったり、なるほどなと納得しました。
先ほど座った黒い椅子(ポスターの)が初期の作品ということも驚きです。脚につけられたアールでも重さを分散しているのだとか。削ぎ落したミニマリズムの力学に感嘆します。この映像は先に観ると予習になりますね(後から観ても余韻が楽しめます)。
「出勤前に美術館」も心が豊かになって良かったです。
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