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なにがきっかけだったか、『悪文』という本を読みました。2016年の本にしては例が古いなと思いましたら、元は昭和の本でした。

最近はスマホの幅で改行してしまったり(ポエムか)読点を使わずにスペースを空けていたり(欧米か)句点を使うとハラスメントと言われたり(むしろマルハラハラスメント)して、当時とはまた違う悪文を目にしますが、この昭和の時代の新聞や雑誌もなかなかの悪文があったのですね。酷い文を例にしただけで、大半は問題なかったと思いたいです。

月に一度ぐらいは送られてくる不動産のDMも、校正・校閲で赤だらけになりそうです。ちょっとボカしますが、変なところで改行されていて、読みにくいことこの上ないです。

氏名が3か所、物件名が2か所も差し込まれています。個人情報を文中に入れられてしまうと、捨てる時に手間なので本当にやめてもらいたいものです。所詮は機械的な差し込み印刷、親しみなどこれっぽっちも湧きません。


【全文】
[氏名]様
[物件名]のご売却に関する
〇〇不動産販売ならではのサービスをおまとめした
パンフレットをお送りいたします。

平素より格別のお引き立てを賜りまして、厚く御礼申し上げます。
〇〇不動産販売では長年に亘り培った不動産業務のノウハウで
皆さまからいただきましたさまざまなご相談をサポートさせていただき、たくさんのご成約をいただきました。
この度、そういった実績に裏打ちされた弊社ならではのサービス内容をまとめたパンフレットをお送りさせて頂きました。
もし[氏名]様がご所有されている
[物件名]の件でご売却を検討されている、
またはなにかお悩みがございましたら、この機会にご高覧ください。
パンフレットご高覧の上、ご不明な点などございましたら、同封のご相談シートをご郵送又はFAXにて
ご返送又は記載のQRコードから査定フォームにご入力いただくか、お電話・メールにてご連絡いただければ幸いです。

これからもお客様のご要望に応じたコンサルティングをご提供させていただきます。
末筆ながら[氏名]様のご健勝を心よりお祈り申し上げます。


頭語・結語はなく、内容もパンフレットを送るとのことですから、書類送付状の類でしょうか。

『皆さまからいただきましたさまざまなご相談をサポートさせていただき、たくさんのご成約をいただきました。』
「いただき」が多すぎますし、次の文は「頂き」で揺れがあります。ひらがなが多いと稚拙な印象を受けます。他にも変な改行に二重敬語、『そういった実績』ってナニ!?など、社内に文章をチェックする人はいないのでしょうか。

🖋

たびたび見当違いのスカウトを送ってくる人材会社のメールです。

『お忙しいところ、メールを開いていただきありがとうございます。』
冒頭の一文で「またか」と思います。

『ご志向・ご経験と異なる部分がある可能性がございますが、
現在に至るまでのご経験を拝見し、
今回ご紹介の企業でご活躍いただけるのではと存じます。』

「ご志向・ご経験と異なる部分がある可能性がございます」というより、一体どこが志向・経験に合うのかを書いておくれよと思うほど、何も合致しない求人。

今回のポジションは、ゲーム会社の経営企画マネージャーです。掠っているとしたら予実管理ぐらいですが、それを受け持っていたのは新卒~5年目までですよ?その程度で経営企画ができるなら、誰を採用しても同じではないかと思ってしまいますわ。

私がそのゲーム会社の採用担当者だったとして、私の経歴が送られてきたらエージェントに突き返しますけどね。職務記述書をちゃんと見ろと言いますね。スクリーニングの手間をかけないようにエージェントが入るのであって、その働きがあっての高い手数料ですよ?

キーワードで検索をかけて大量にスカウトメールを発信しているのでしょうね。案件に合わないのがわかっているから、冒頭の「メールを開いてくれてありがとう」と、続く「志向と違う可能性がある」なのでしょうけれど、そう書くことでリスクヘッジになっているかといえば逆効果で「またこの会社か」です。

この手のメールはもう、悪文というよりスパム?書いていてそう思いました。

#悪文 #読書 #スパム #求人 #DM  

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