臨床と産業の意見交換(から読んだ本)
大げさなタイトル……心理士と産業カウンセラーが電話相談のブースで、電話のない時に心理の雑談をしている、という話です。
投影法の心理検査を実施した後の分析の仕方を聞いて、私は「へぇ~」と思い、休職している人の会社での復職プロセスとそのタイミングに心理士が「へぇ~」と言い、面白いです。
彼女から『「甘え」の構造』を勧められ、増補普及版を読んでみました。『菊と刀』との比較もあり、こちらはだいぶ前に読んで忘れているので、また読みたいと思いました。
「2/3ぐらい読んだけど、なかなか難しい部分もありますね」
「あー、めっちゃ精神分析の方だからでしょうか」
「言葉の選び方というか……ただ、『無責任な「甘やかし」と「甘ったれ」が蔓延』みたいに、なんかわかる!というところもあって」
「そうそう、あれはほんとそうですよねー」
1971年に初版、2007年に増補普及版、かなり古いですね。増補版にしたのは発刊20年によせての追記があったからです。その中でも「最近は子供の精神障害が増えていて」とありました。更に時間が経って、もっと増えたかもしれませんね。
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「面白かった先生とか講義とか、ありました?」と聞かれて、
「『「上から目線」の構造』の榎本先生の講義は面白かった~!」
素人時代に読みました。大学のシラバスを眺めていたら「ん?この先生は!」と調べるとやはりそうで、性格心理学ともう1科目ぐらい取りました。
ご本人から1冊買ったの読む?と聞いて、今は彼女が読んでいます。
もう一冊。性格心理学の参考図書に『9つの性格』があったという話からエニアグラムの話をすると、webの簡易診断で出たタイプの長所・短所を読んで納得したり落ち込んだりしていました。
「もっと詳しいの、読む?」ということで、これも貸し出し中。
そして「どうして『「上から目線」の構造』が家にないのだろう」と思ったら、当時勤めていた会社で隣のブースだったおじちゃんが「これ、面白いから読んでみて」と貸してくれたのでした。
慌ててぽちっと買いました。新書は旬がありますし、図書館も手放しがちですから、買えるうちに。これも榎本先生から買えば良かったと思うのですが、あの時は「読んだから別の本を」と思ってしまったのでした。失敗。
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別の分野の人と話せるだけの知識が身についたのは、本当に嬉しいことです。もちろん、彼女は大学院でじっくり深く学んでいるわけですが、その手前の入口部分だけでも。そして、分野が違うから読む本も違って、教え合うとお互いの分野も少し広がるのです。
「この間、グループスーパービジョンに事例提供したのに、”感想”しかもらえなかった……」
と愚痴れば
「えー、ヒドイ。事例をまとめるのも大変なんだから、きちんと検討してもらわないと、なんというか ”出し損” ですよねぇ?」
と応えてくれるだけでも、私はかなり傷がふさがりました。この感覚をわかってもらえるのも嬉しいものです。