「どうせ聞いてもわからない石でしょ~?」
と言われることも多くてそうかもしれませんが、この石をリングに加工しようとしたその勇気が素晴らしいです。
馴染みの問屋さんがJapan Jewelry Fairに製品として出していて
「え?〇〇〇〇〇〇〇〇!?ちょっとぉ~、よくリングにしようと思いましたね→買います!」
思うツボとはこういうことを言うのではないでしょうか。
💎
硬度5.5。モース硬度というのは引っかきに対する強度です。
大体、ジュエリーに向くと言われているのはクォーツの7以上と言われています。
しかも、クリベージといって、ちょっとした衝撃でスパコーン!と割れてしまう方向があります。トパーズもそうです。
その他の注意書きもなかなか怖いですよ。
超音波洗浄:危険
熱に対する反応:敏感。失色することがある
化学薬品に対する反応:酸にゆっくり侵される
ペンダントはあまりチェーンを長くしなければ、ブラブラしてどこかにぶつかることもありませんが、リングはぶつけたり引っかけたりする危険性が大ですので、こんなに脆い石をリングにするのは度胸が要りますね。
では、そろそろ本題です。
1945年、20世紀初の新種宝石として認定されました。そのぐらい、新種の宝石というのは出ないものなのだと習いました。
ヒント:産地はブラジル
答え:ブラジリアナイト
タンザナイトとかアイオライトとか、終わりの”-ite"は"石"という意味です。だからブラジルの石。そのまんまですね。
ブラジリアナイトは大体黄色です。アンブリゴナイトという石のうち、黄色い石のデータがわりと近いところにあるのですが、見分けるポイントが──。
ブラジリアナイト:アンブリゴナイトより色が濃い
アンブリゴナイト:ブラジリアナイトより色が淡い
オイ!って感じの見分け方ですね……薄めのブラジリアナイトや、濃い目のアンブリゴナイトだったらややこしいです。まあ確かにアンブリゴナイトの写真見本は薄い色でしたが……。
ちなみに、アンブリゴナイトのブルーはとても綺麗ですよ。このブラジリアナイトを買った時だったか、同じ問屋さんがブルーのアンブリゴを沢山持っていたので見せてもらったのですが、手元にないところを見ると買わなかったらしく、ちょっと後悔しています。
以上、知っていてもあまり言う機会のない石たちの話でした~。
このリングは春先につけたくなる色合いです。脇石はグロシュラライトガーネットです。
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