真面目だから死ねない
とびきり切れ味のいい包丁を買ったって、
眠るように死ねる薬や
銃が手に入ったって、
きっと私は「あの仕事を片付けないと迷惑がかかる」なんて言って死ねないのだと思う。
労働なんて全部代替え可能だし迷惑はかかるとも誰かが死ぬでもなしに、自分の中で一番強い感情を押し殺してしまうのだから、もはや真面目さと言うのは足枷以外の何者でもない。
死にたいのに死ねない
だから明日に残らないギリギリまでの飲酒をするか、確実に1時間足らずで泥酔し吐ける量の酒を流し込むかをして、擬似的に世界とさよならをする。
全ての音が遠くなり、自分の手なのか地面なのか分からなくなる感覚はかなり面白い。
風邪薬でも痛み止めでも、何か市販薬を1箱くらい飲んでおくとなお良い。
そんな日々を繰り返さなきゃ生きていけない自分は欠陥品過ぎて恥ずかしさを覚えるばかりなのだが、とはいえどうすることもできず。
死にたいと思い、死にませんようにと願いながら死を夢見て、今日もお酒の海に溺れる。
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