わたしのお葬式

わたしがしぬのはきっとまだ何十年も先の
未来の予定なんだけど、
それでもそのときはいつか必ずくるから
ここにいくつかお願いしてみます。

わたしの名前は、満開以上の花と書いて
満以花です。
わたしが持っているものの中で、何とどう比べても、
これ以上ないお気に入りでいちばんの贈り物。
これだけは、わたしがどんなにんげんになっても唯一変わらないもの。

わたしがしぬときは、何も枯れない。

どうかひとつ、赤青黄色にピンクや緑、色とりどりのお花でいっぱいにしてください。
たまにわたしを思い出してくれたなら、あなたの思う可愛いお花を飾ってください。

わたしの好きな色は、赤です。
情熱的で、血の巡りやいのちを連想させる、愛にも毒にもなり得る色。わたしの肌色に、いちばんよく馴染む色。

どうかひとつ、さいごのお洒落に、花びらのようにひらひらとした真っ赤なワンピースを着せてください。
胸元には白いかすみ草を手向け、
わたしの周りにはキラキラのビーズを散らしてください。
足元には緑、頭上には青、色鮮やかな自然のなかで眠っているかのように。

きっと、そこにいる人は、わたしの好きなものをほかにも知ってる。
どうかひとつ、わたしはお経なんてわからないし、お坊さんを呼ぶ代わりに、お手紙を読んでください。BGMには、みんなで好きな音楽を流してください。

すこしだけ哀しんだら、あったかくておいしいごはんを食べて、ゆっくり休んでください。

生き急がず、またいつか会えるときまで、たのしいことをたくさん見つけて、のんびり、できる限り長く生きると約束してください。

ありがとう。

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