ヨレヨレのTシャツに負けた思い出
最近よく聞くようになった“一軍服”。
一軍服があるからには、二軍服や三軍服もある。
この一軍服、二軍服、三軍服の定義には大きく2種類あるようだ。
1つは、一軍服は自分が着ていて気分が上がる服・お気に入りの服、二軍服はそうではない服という主観的な定義。
もう1つはTPO的な定義。
代表的なのが、一軍服は特別な外出着、二軍服は普段の外出着、三軍服は部屋着というもの。
後者の三軍に定義された部屋着の代表格がTシャツだろう。
Tシャツは肌に直接触れるから洗濯回数が多くなって、布地が痛むのが他の服より早い。
布帛ではなく、カットソーとかジャージー、天竺と呼ばれる伸縮性のある布地で作られているからどうしても首周り等がヨレやすい。
少しくたびれて柔らかくなった、お気に入りのTシャツを私も部屋着にして、夏はアウター・冬はインナーとして毎日のように着ている。
しかし、それで人前に出られるかどうかというのは別問題。
お気に入りだけど人前には着て出られないTシャツは、果たして一軍服なのか?
一軍服とは違うが、勝負服という言い方もある。
私自身は服には自信を後押ししてくれる効果があると思っていて、重要なプレゼンや会社を代表して挨拶する場合などに必ず着る服を持っている。
ずいぶん前の話だが、うちの息子が就活をしていたころ、ニューヨーカーの店舗へ連れて行って、スーツ・シャツ・ネクタイ・ベルト・靴と買い揃えた。
意中の会社に採用されたのは彼の実力ではあるけれど、親としてのできる限りの応援である。
これらはTPO的定義でいうところの一軍服だろう。
この種類の一軍服はどんなに気分が上がってもお気に入りでも部屋着にはならない。
だから一軍服という言い方は服をランク分けしたいのではなく、部屋着であっても価格で決めるのではなく自分のお気に入りを吟味しましょうという提案なのだと受け取った。
違うのかな?
そんなことを考えていてふと思い出したのが、ビジネスイベントで出会った男性。
ビジネスイベントといってもラフな会ではあったが、彼は首元がヨレっと伸びて前面のプリントが洗濯でかすれてしまった白いTシャツにジーンズ、グレーの麻のカーディガンを着ていた。
これがまあカッコよかった。
同い年だと知り、『あ~負けた』と思った。
あの時、私は何に対して勝ち負けを感じたのか。
服なのか、着こなしなのか、雰囲気なのか、存在そのものなのか。
なんだかわからないが、今も思い出すと悔しいし楽しい。
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ヨレっと伸びたTシャツもよきですが、伸びた首周りを縮めたい時もありますよね。4つの方法を図解と動画でご説明しています。