10年前のユニクロのTシャツ
Tシャツが難しい年齢になったとつくづく思う。
若い頃はTシャツにジーンズで夏はどこへでも出掛けられたのに、今は羽織ものがいる。
家でもTシャツにイージーパンツだとワンマイルウエアどころかパジャマに見えてしまう。
朝きちんと着替えているのにも関わらず、である。
若くてそれなりの体型だった頃は、服を着ることが難しくなるなんて考えてもみなかった。
年齢とともに身体に脂肪がつき肩や背中が丸くなり、皮膚には張りがなくなっていく。
ショーウインドウに映る自分にギョッとしたのは一度や二度のことではない。
それでも時々「これは!」というTシャツに出会う。
私にとっては10年以上前に買った、ユニクロのTシャツがそれである。
同じようなTシャツを何枚も買ってきたが、着た時の身体の見え方が全く違う。
ふだん娘のかっこうなどまったく興味のない父がこれを着ていると必ず「あなたはいつまでも若いね」と言うから、あながち自己満足でもないと思う。
くだんのTシャツは七分袖で紺色、絵柄などはついていない、ごくごく普通のカタチ。
でもこの「普通のカタチ」というのが曲者で、丸首の微妙な空き具合、肩幅・身幅のフィット感、着丈のちょうどよさなど、「普通のカタチ」は千差万別なのである。
特にシンプルなTシャツほど、パターン(型紙)の違いがでやすいし、生地の違いがでやすいし、身体との相性がでやすいのだろう。
生地は傷んでいないが紺色が褪せてきて、一度染め直しに出した。
染め直し料金はTシャツの代金の何倍もかかった。
でもそれくらいの価値がある、いい買い物だった。
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「再生コットンのTシャツ」と「10年着てほしいという思いが込められたTシャツ」をYoutubeでご紹介しています(PR案件ではありません)。ぜひご覧ください。