mori(プロフェッショナルコーチ/アートジャーナリスト)

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【ラジオ出演】Go Around The World(レインボータウンFM)

※02:30から番組が始まります※ 「Go Around The World」は、ビジネス論・人材育成論・グローバルコミュニケーションについて論じる番組です。 私自身のバックグラウンド・経験についてお話しし、最後は「デキるビジネスパーソン」についても対談しています。

    • 自分だけの楽園をつくる

      ヴェールに隠された「欲しいもの」極端な話、自分が欲しいものが分かっているだけで、前進しやすくなるものです。悶々とするときは大抵、今の自分が欲しているものがよくわかっていないのではないでしょうか。 同時に、誰しもが、自分が心から欲しいものに気付けない瞬間を経験することも真実だと思います。長年、コーチングを学び、施す者としてそう感じます。欲しいものはあるはずなのに、ヴェールに覆い隠されてしまっている、そんなことは度々起こります。 仕事が忙しい上に資格取得勉強もあり、それぞれが

      • 「人生の演者となる」という考え方

        狂気的な天才、サルバドール・ダリ朝、目を覚ますたびに、私は至高の喜びを感じる。 「サルバドール・ダリである」という喜びを。 そして、このサルバドール・ダリが、今日はいったいどんな奇跡を起こすのだろうかと、驚嘆しつつ、私は自分に問うのである。 ―― サルバドール・ダリ『天才の日記』より ダリは、シュルレアリスム(超現実主義)を体現した有名な画家です。 シュルレアリスムとは、理性が把握する現実とは別の偶然、幻覚、夢、狂気などのうちに超現実の領域を探求する動きのことです。 シュ

        • アート鑑賞で経験学習量をはかる

          コーチングは「経験学習」そのもの私たちが本質的に変化し、心から充実した成果を得るためには、継続的な「行動」と「学習」が不可欠です。 コーチングの世界では、「セッションとセッションの間」をどう過ごすかが、結果を生み出す上で重要だと言われています。私の経験上でも、セッション間で "経験学習量" が多く、濃いクライアントほど、目覚ましい変化を遂げています。 アメリカの教育学者であるデービッド・コルブが唱えた「経験学習モデル」がそれを裏付けています。 社会人の能力開発は、殆どが日常

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        • クリエイティブキャリアコーチング
          32本

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          「自分」を生きるための考え方

          「自分」を生きている人の特徴 自分を生きること ――― それは、とてつもなく壮大に聞こえる人がいるかもしれないし、限りなく些細なことにも感じる人もいるかもしれません。 私はこれまで、「自分」を生きることに目覚め、驚きと歓びとともに前に進む多くのクライアントを見てきました。その人たちの特徴として、こんなことが挙げられます。 1つは、熱量があること。 その熱量とは、当事者意識であり、使命・信念であり、美学からくるものが多いようです。 自分自身の理想とはかけ離れたコミュニケー

          行き詰ったら「子ども」になってみればいい

          ナビ派の画家であったピエール・ボナールは、終生「子どもの魂」に関心を持ち続けました。 大人になった私たちは、きっとどこかで「子ども」でいることに興味を持っているのではないかと思うのです。 本能と理性、アクセルとブレーキその人は、自分の中にある"本能"と"理性"の間で葛藤していました。 本当はこういうことがしたいのに、社会的な目を無意識に気にしてしまい、抑えてしまっている。"アクセル"と"ブレーキ"が両方踏まれている状態に対して、フラストレーションが溜まっているようでした。

          行き詰ったら「子ども」になってみればいい

          「美しさ」をアート思考で探求する

          オラファー・エリアソン ときに川は橋となる そこには、人の手で創られた自然現象の美しさがありました  ――― オラファー・エリアソンは、アートを介したサステナブルな世界の実現に向けた試みで、国際的に高い評価を得てきた現代アーティストです。 ■「太陽の中心への探査」2017年  ■「溶ける氷河のシリーズ 1999/2019」2019年  私たちと自然との複雑な関係を反映する彼のインスタレーションでは、光、水、霧などが登場します。エリアソン自身が幼少期に多くの時間を過ごした

          不運を使命に変えられるか?

          「仲の悪い家庭で育ったこと、そして良い大学に行けなかったことを悔やんでいます」 育った環境、そして自分の努力不足から生まれた "不運" を、口惜しさとともに吐露したクライアントがいました。Hさんは自分のありたい姿に向けて前進している最中ですが、恵まれた家庭に育ち一流大学を出て活躍している人を見ると、「所詮、自分はこの程度の人間だ」とあきらめの気持ちになってしまうのだそうです。 「見えない」の再定義昨日、『目に見えない世界をあるく』という本に出合いました。 著者である広瀬

          独自性は自分の内面から生まれる

          他人の趣味を受け入れていないか?「ほとんどの画学生と、いわゆる成功した画家の多くが「モチーフ」を探そうとして自然の風景のなかに出かけるとき、彼らの内面が乏しいため、無意識のうちに、画廊で見かけて気に入ったほかの画家の絵と同じようなものを作り出してしまう。 彼らはたぶん何百回も自分だけの主題のそばを通り、感じ、楽しんだであろうに、自分の感動をきちんとはかれず、自分自身への信頼に欠けているせいで、それらを無視し、すでに評価を得た他人の趣味を受け入れてしまうのである」 ―― ロバー

          私にとってコーチングは美術鑑賞と同じくらい尊い

          ある時出合った「魂が震える感覚」私は「魂が震える感覚」をいつだって覚えています。 震えるときは呼吸をすることを忘れ、視界が明るくなり、眼球を水分が包み込み、全世界の中でその対象と自分しかいない感覚になります。 魂が震える感覚は、私のニーズです。 つまり、「自分が最も自分らしくあるために、持っていなくてはならないもの」であり、それがあると幸福なのです。 宝石のような光が降り注ぐある日、私はカフェで新聞を読んでいました。 とある記事に目が留まり、じっくり文章を読むに連れ、呼吸

          私にとってコーチングは美術鑑賞と同じくらい尊い

          ネガティブな経験をした時の処方箋

          経験の「昇華」文章を書くときは、内なる感覚に忠実になることを大切にしています。 私にとって満足する文章が書けるときは、決まって心のどこかに釈然としない気持ちがあるときです。通常、そのような感情は遠ざけたいものですが、最近では「お、”栄養” がきた」と少しだけ受け入れ姿勢でいる自分に気が付きました。 このようなスタンスは、実はアーティストの感覚に近いのかもしれません。 非常に多くのアート作品はアーティストの悲しみの「昇華」であり、鑑賞者の悲しみも作品を鑑賞することによって

          周りの評価をはねのけた先にある美しさ

          ” 美には二つの種類がある。一つは本能から生まれてくるもの、もう一つは入念な研究の結果から生まれるもの " ―― ポール・ゴーギャン 美しさは、天性のものだけではない。 突き詰めた研究の結果から生まれる美しさも存在する、という素晴らしい示唆を残してくれています。 とても興味深いのは、とりわけ研究の結果から生まれる美は、その素晴らしさを万人から理解されづらいことがある点です。 「混乱なんかしてねえよ、バカ」アクション・ペインディングで有名なアメリカの美術家、ジャクソン・ポ

          今こそ大切にしたい3つの「余」

          ① 余分小説を読む時間を大切にしています。 最近は専らビジネス書や専門誌でしたが、必要なことだけコンパクトに詰め込まれたその様に少しだけ飽きてしまったのかもしれません。 小学生の頃に背伸びして買った小説「ホリー・ガーデン」を、しっとりした気持ちと共に読み終えました。(30歳を目前にした2人の女性の物語。小学生の私には少し早すぎる内容だったと思います) なぜだか昔から、余分なものが好きです。 それはたとえば誰かのことを知りたいと思ったら、その人の名前とか年齢とか職業とかでは

          「挑戦」に対する解像度をあげてみた

          挑戦が生み出すインパクト先日、某美術大学のある学生で、なかなか自分の絵が売れないと嘆いている学院生がいました。在学中に絵が売れるのは稀だと思いますが、彼の絵は画商の私が見ても将来性のある面白い絵だと思いました。 「思い切って1500円個展をやったら?」と提案してみました。 最初はあまりイメージが湧かなかったようですが、そこで私は「1500円でも元を取れる作品をつくったらいいじゃない?」といいました。 アーティストにはそういう発想が必要です。なんなら河原で石ころを拾ってきて、そ

          問い続けた末に生まれたもの

          常に問いを持って生きているか、そして、その問いの内容によって、私たちの発想の幅・質はかなり変わってくるのではないでしょうか。今回は、「問い」について探求したいと思います。 「日本人の死生観」とは何かLady Gagaが着用したヒールレスシューズで脚光を浴びた舘鼻則孝氏は、3.11 の体験をきっかけに自身の生と死を見つめてきたといいます。 その表現のうちの1つが「CAMELLIA FIELDS」。個人的にかなり好きな作品です。 「僕は武士の町として知られる鎌倉で育ちました

          意識しすぎると死んでしまうもの

          偶発性が生み出す魅力「アートから感じる魂を、呼吸とともに取り入れたい」 そんな内なる欲求から外へ出るのですが、行き先はその場で決めることが多いです。「ここで〇〇を観るんだ」というより、「銀座のどこかでアートを観れたらいいな」という無計画さが気に入っています。 その方が、もっともっと感動がある気がするから。 事前知識をばっちり入れて行ってしまうと、何かを失ってしまいそうな気がするのです。 そんな無計画な旅で出合ったのは、井田幸昌の作品でした。 Crystallizati