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子どもを産んで変わった唯一のこと
子どもを産むと人生が変わる。それは当然のことで、想定していたこともあれば、考えもしなかったことまでさまざまに変わる。
もともと、子どもを持つことを「絶対」とは思っていなかった私たち夫婦は、結婚後数年間は子どもについて話すことすらしなかった。
私の年齢が出産の適齢期から外れはじめた頃に、やっとどうするか確認したときにも、あくまで「できたらいいね」であった。
結局、別の事情により、私が会社員から個人事業主に転職したタイミングで妊娠した。退職は不本意なものであったので、やはりストレスが妊娠を妨げていたのかもしれない。
正直にいえば、会社員であったときには「妊娠して育休に入れば、復帰するときに別の部署に配属される可能性が高い」ことに期待をしていた。そんな邪な気持ちも、妊娠しなかった原因であったのだろう。
結果として、妊娠中に開業することができ、細々とではあるが校正者として歩みはじめた。出産、子育ての大変な時期も、仕事の調整を自分でできる状態になっていたことは幸いであった。
妊娠、出産の時期に私の人生は大きく動いたと言えるが、それは妊娠、出産によって変わったわけではない。
子どもを持つことがなかったとしても、同じように個人事業主にはなっていたと思う。
そのまま、子どものいない人生であったなら、もっと多くの仕事を積極的に受けたり、もしかしたら再び会社員として就職したりすることもあったかもしれない。
しかし、それらは全て「たられば」で、子どもがいなくても、私なりの人生を送っていることは変わらなかったと思う。取り巻く環境がすっかり変わった今も、それは同じである。
ただ、一つだけ確実に変わったと言えることがある。
「人生をやり直したいか」という問いに対しての回答が、「はい」から「いいえ」に変わったのだ。
後悔したこと、やり直したいこと、違う選択をしていたら変わっていたかもしれないこと。山のようにある人生の分岐点、そのどれか一つでも違っていたら、今、目の前にいる我が子が生まれていなかったかもしれない。
そう思うとこれまでの私のたくさんの悔いは、全て必要なことであったのだ、と思えるようになった。
私にとっての子どもの存在は、それ以上でも以下でもない。
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