日本家屋に憧れて
こんにちは。
ある時から、日本家屋に心を惹かれるようになりました。田舎育ちの素性が、日本家屋への憧憬に拍車をかけているとも思います。大きな梁、土の壁、茅葺き屋根、土間、囲炉裏、障子、どれ一つ取っても、連綿と続く技術の継承の美が迸っています。
先日行きました、細川紙 紙すき家屋。
囲炉裏から昇る白煙を吸っていると、懐かしさを感じます。
自宅で、本を漁っていましたら、興味深い本が出てきました。
日本の民家 今 和次郎 著 岩波文庫
この小さな本は、なるだけどんな人へでも興味をもって田舎の生活や家屋のことを知ってもらえるようにと心掛けてかいたものである。都会に人たちへは田舎のことを知ってもらうために、また田舎の人たちへは他の地方のことを知ってもらうために役立てば幸だと思って。・・・
家の構造、間取り、素材、地域毎の民家の違いなど、丁寧に簡潔に記述されています。
本中にありました興味深い民家は、京都八瀬の農家。
間取りは純粋の四つ目で、土間の一隅にネマとしてあるところが若い夫婦の寝所炉で、老人が生きている間は若い者たちは畳の上に寝ることがゆるされないことになっているのだそうだ。この風習は、伊豆大島のとは反対で、大島では若い夫婦が結婚すると直ぐにその家の主人となり、両親たちは別の小さい家に追われてしまうのだ。・・・
地域の特性だけで、住居環境と住む人の考え方がこんなに違うことにびっくりしますね。日本深し・・・。
花子出版 倉岡
文豪方の残された名著を汚さぬよう精進します。