『ゴボーを持ちながら』 戯曲公開
戯曲『ゴボーを持ちながら』を公開します。
神戸アートビレッジセンター(KAVC)全館をつかったアートイベント、KAVCアートジャック2018に、“みっつのはなわ”というユニットで短編劇パフォーマンス『ゴボーを持ちながら』を上演しました。
私は、構成・演出を担当。(脚本を書いたと言い切れない理由はお読み頂ければ分かるかと思います。)
お客様には、「ほっとした」「衣装かわいい」などのご感想をいただき、とても嬉しくありがたいのです。「ちらっと見るだけでも楽しめるし、全編通して見ると(見る人はいないだろうが)何か感じられるかも」という触れ込みでした。
が。
私としては、「かわいい、癒し」というイメージもさることながら、女性の持つ生物の業(ごう)みたいなものを醸したかったところもありますし、その反面でのチャーミングさ、凛としたところも出せたらと考えていました。それが見る人に伝わったのかどうかは分かりません。おそらくあまり伝わっていないと思います。それは演出の未熟さでもあり、偶然性の支配する場の個性が強すぎたこともあり、それでも伝えたいことを前面に出すような演出は今作品にはそぐわない気もするのでこれで正解のようでもあります。演劇はその場かぎりのもので、その時その場所で見る人にしか伝わらないものです。が、別の楽しみ方もできるはずです。戯曲を読んで、これが立体物(空間、人、音声、時間をともなう)としてどのようになるのかの想像の余地を味わうことも可能です。私も、この作品から何が立ち上るのか考え続けて、今後の創作に繋げてゆきたい作品となっております。
ということで、上演台本に少し普遍性を持たせた戯曲バージョンを作成し、公開します。
今回の台本は、稽古場で即興芝居を重ねて生まれたところ、私が脚本として書いたところ、それぞれがテーマにそって現在の自分の立ち位置や言葉で語った内容を落とし込んだところ、など、バラエティ豊かな台本のできあがり方をした作品です。(私が脚本を書いたと言い切れない理由がここに。)
本編を見られなかった方も、見たけど全部は見られていない方も、ちょっとよく分からなかった方も、よろしければご覧ください。
ご感想などもいただければ、幸いです。
※ もし上演をご希望の場合、ご連絡ください。分割・再編したり、部分的に抽出して上演することも可能です。