将棋が好きな人が好きという話

廃人が好きです。
将棋が好きで好きでたまらなくて、やめたくてもやめられない、何かを犠牲にするまで将棋をやめられない。
そんなに盲目に真摯に将棋に向き合える人が好きです。
ずっと見ていられるしお金持ちなら飼ってひたすら将棋をさせてそれを紅茶飲みながら眺めていたいです。

みたいなヤンデレ思想(?)を持ちながら私もかなり廃人です。
でも本物には勝てません。
私より数段将棋愛が強いのです。

なぜ廃人が好きなのでしょうか。
好きなものに一生懸命になっている人は輝いて見える、その最たるものが廃人なのです。
人に見せるために作られた一生懸命さではなく、辞めることが出来ないある種の呪いのようなものに囚われている。
そこに禍々しいキラキラが残るのです。
一般人には難しい才能のようなものです。

だから私は観測者側に回りました。
勿論指します。ただ中毒者にはなれても廃人にはなれませんでした。
すぐ疲れてしまいます。
だから頭を空っぽにして見ています。
今日も明日もずっと見ています。
見ることで満足します。
今日も彼は元気に指している、その事実だけで幸せになれます。

多かれ少なかれ、みんな観戦者の素質はあると思います。
noteの更新を楽しみにしているクリエイターがいる、Twitterの投稿通知をオンにしている人がいる、毎日18時に上がる動画が楽しみで正座待機している。
みんな観戦が好きなのです。
いえ、観測が好きなのです。

言い換えると、例えば地球の人口が80億1人だとすると
廃人は自分一人で楽しめます。
観測者は80億人から選んで楽しめます。

きっと簡単なのは観測者の方です、80億種類の娯楽から自分の好みを探せば良いのですから。
でも廃人は娯楽の自給自足ができます。
正確には対戦相手やプラットフォームを使っているのですが。

どうなんでしょう。
もしかしたら観戦好きの方がマイノリティなのかもしれません。
この記事を書いているのは80億人の中の1人である私なのだから。

それでは良き将棋ライフを!

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