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アパートに母が遊びにきた
私のアパートに泊まってみたいと言っていた母。なかなかその機会がないままに、私の一人暮らしがいったん終わろうとしている。このアパートを出て行くまで、あと2週間ちょっと。今しかない。
ということで、私のアパートに母が遊びにきた。
仕事の関係で父が泊まっていくことはこれまでに何度もあったけれど、母がアパートに泊まるのは初めてのことだ。父が来るときよりも念入りに掃除をしておいた。
早めの夜ごはんで、アパート近くの餃子屋さんに行った。アパートから近いのに私も行ったことがなくて、念願のお店だった。そこで女2人で餃子単品を食べまくり、ビールも飲んだ。よく食ってよく飲む女2人だ。美味しかった。
人気店だからお客さんの出入りが激しかった。座った席が出入り口に近かったから、寒かった。
寒い〜〜と言いながら、酔っ払い2人はアパートに帰った。餃子でお腹いっぱいになったのに、また飲んで食べた。
結構な時間、いろんなことを喋った。私たち2人だからこそ話せる話。ここに他の誰か、父や姉が加わったとしたら、こんな話はできなかったんじゃないかな。母娘2人の時間、悪い話の方が多かったかもしれないけれど、あれは必要な大切な時間だったと思う。
私はいつもと同じアパートにいるんだけれど、誰かがいるだけで部屋がとても暖かく感じた。気温はそんなに変わらなかったと思う。いつもは寒くて仕方がないくらいだけれど、ほかほかしながら眠りにつけた。
、、でもなぜか、いつもより眠れなかった。
次の日も昼過ぎまで、母と過ごした。
朝は美味しいパン屋さんのパンを食べて、ショッピングして、インドカレーを食べてまたお腹いっぱいになりすぎた。いっぱい歩いていっぱい喋って、いっぱい楽しかった。
もう少しでアパートを出て、実家に戻る。
再び実家で暮らすことへの不安は、正直ある。前はただただ嬉しい気持ちだったけれど、今は嬉しさだけではなくなっている。
一人暮らしで気づいた家族のありがたみ、たまにしか会えないから全力で大切にできる家族との時間。一緒に暮らしてしまうと、それらの尊さが薄れてしまうのではないかと怖い。イライラしてしまったり、八つ当たりしてしまったり、そうなってしまうかもと想像するだけで悲しくなる。
わかってるんだから、わかったんだから。
1年間は実家で暮らすけれど、そのあとどうなるかもわからないし。家族との時間が無限に、いつまでも続くわけじゃないんだし。大切にしていきたい。
別れ際に母が、楽しみにしてるよと言った。
一緒にいる間にさりげなく、私が帰ってくるの嬉しい?と聞いた。それに対して母は、なんで?と聞いた。バイト先の店長から「お父さんお母さん嬉しいだろうね〜」と言われたから聞いてみた、ただそれだけで、深い意味はなかった。私は店長から言われたからと答え、母は私の質問への答えをはっきりしなかった。
楽しみにしてるよは、その質問への答えだったのだろう。母はそういう人だ。即答しないけれど、あとから嬉しい返事を残してくれる。
家に着いたとLINEが来て、楽しかったと伝えた。そうだね😆と返信が来た。笑顔の絵文字を見て、なんだか嬉しくなった。