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うしろから3番目

大学の講義室。選ぶのはだいたい後ろから3列目の席。ひとりでもふたりでも、後ろから3番目。

後ろの方がいい。でも1番後ろはちょっと…。
そんな感じで選ばれるのは3番目。

前の方の席に座る人の方が成績がいい、みたいな話を聞いたことがある。成績がどうであれ、前列に座っている方が意欲があるように思われるのかもしれない。それでも私は、後ろの席を好む。

理由はある。
見られているような気がしてしまうからだ。

自意識過剰なことはわかってる。実際には誰からも見られていないのだろうなとも思う。それでも。

高校時代、席替えのくじで前の方ばかりを引き当てていた。1番前や前から2番目の席に座っていることが多かった。授業中、お弁当のとき、休み時間。きっと誰も私のことなど見ていなかった。だけれど、後ろにいっぱい人がいることが怖かった。後ろを振り返ると人の顔がいっぱいあることが怖かった。前に人があまりいないことが不安だった。
席替えでは前の方ばかりを引き当てていたが、出席番号順で座る席は1番後ろか後ろから2番目だった。3年間とも、そうだった。テストは嫌いだけど、あの席に座れることは嬉しかった。前に人がいっぱいいることが嬉しかった。後ろからの目が気になることはほとんどなかった。

だからこそ、自由席である大学の授業では後ろの方を選ぶ。
大学ではだいたいの授業が自由席だ。とっても嬉しい。人が多すぎる授業や教室が狭い授業では席取り合戦(?)になることもあるけれど、早めに教室に入ればだいたい後ろから3番目を取ることができる。
後ろの席は、やっぱり安心できる。たまに前の席になってしまったときには、先生との距離の近さに驚く。

友達も後ろの席を好む子でよかったなと、今になって思う。
話し合わなくても、向かうのはだいたい後ろから3番目。私は、私たちは、後ろから3番目が好きすぎるのかもしれない。

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