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気のめぐりが悪いひと ・・・ (漢方の視点:気滞・気鬱)
コロナ対策で、外に出るな、遠出はするな、飲み会は控えろなどと言われ、家に閉じこもり状態の時間が長い方も多いのではないでしょうか。そのために、気分もうつうつしてきている方もおられることでしょう。うまく発散できない人は、気のめぐりが滞り、漢方で気滞、あるいは気鬱と呼ばれる状態になっているかもしれません。
気の流れが体のどこで滞っているかによって色々と症状が出るとされています。抑鬱傾向、頭が重い、喉や胸が使えるあるいは詰まった感じがする、お腹が張る、ゲップが出る、おならが多くなる、朝調子が悪い、時間により体調に変化があるなどの症状が出てきます。気の流れが滞っている場所で何らかの停滞感を感じる、といったイメージでしょうか。お腹が張るのは、気がお腹で滞っているとみるような考え方というのは、面白いですね。
気滞を改善するとされる生薬を挙げてみます。香木、半夏、紫蘇葉、枳実、木香、香附子、川芎、柴胡、陳皮、山梔子などが代表的なものでしょうか。これらの生薬が処方に含まれていると、処方の意図には気の流れを良くしたいと言う思いがこめられていると考えます。
気の流れをよくする処方は理気剤などと呼ばれます。代表格は半夏厚朴湯(ハンゲコウボクトウ)です。喉の違和感や閉塞感を訴えるときに使います。気の流れが、喉のあたりで停滞してるのでしょうか。香蘇散(コウソサン)は胃腸が弱い人の風邪の初期に使ったりしますが、気滞が絡んでいると思われる人に有効です。半夏白朮天麻湯、柴胡加竜骨牡蛎湯、黄連解毒湯、女神散その他色々と気の回りをよくする意図を含む処方はあります。
息が詰まりそう、などと感じる時は、気の流れがどこかで滞っているのかもしれません。気分転換やリラックスをして養生するのが第一ですが、ちょっと漢方薬を利用するのも良いと思います。