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まっすぐ歩けていない感じがする
生きているとあっちにぶつかり、こっちにぶつかり、と言う具合でなかなか思ったようには歩いて行けない。しかし自分が思うまっすぐな方向が人生にとって正解とは限らないところが面白い。そもそも紙の上と違って、自分の人生に直線を引こうと思ってもどこからどういう方向に行けば直線なのかもわからないし、3次元空間に時間と言う要素が組み合わされた人生において直線と言う言葉自体が意味のないことかもしれない。ずいぶん回り道をしたと感じていたとしても、年齢を重ねてくると、いろいろあったけどそのおかげで今の自分がある、ということをしみじみ思うところに、味わいも出てくる。
ところで、高齢の方での訴えで、まっすぐ歩こうとするのだけれどなんとなくまっすぐあるけていないような気がするといったものがあります。ぐるぐる目が回ったり、吐き気がしたりと言うようないわゆるめまいとは違う、ふわふわしてなんだか斜めに進んでいくように感じると訴えられるのです。こういう方で、新陳代謝が落ちて冷えの傾向、下痢傾向、むくみが出やすいなどがあれば真武湯(しんぶとう)をを使います。
附子と生姜が体を温め、茯苓と蒼朮が水分バランスをととのえてくれます。高齢者に使う場合が多いですが、新陳代謝が落ちて冷えがあると考えれば、若い方でも処方します。
人参湯という処方も似たイメージで、冷えて下痢気味な方に使うのですが、こちらは胃の調子が悪く、真武湯は腸の方に問題ありというイメージで使っています。なお強い倦怠感があって、寒がりというふうに、真武湯を処方するかたよりさらに弱っている方には、真武湯と人参湯を合わせて、茯苓四逆湯として処方することもあります。エキス剤も何とか組み合わせを工夫するわけです。