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年末の疲れ:ひと息つく大切さ
御用納めの12月27日、職場での簡単な納会を終え、自室に戻った瞬間、思いがけない疲労感に襲われました。一気に力が抜け、ソファーに座り込んでしまい、なかなか動き出せなくなってしまいました。
振り返れば、医療・介護の現場を取り巻く環境は年々厳しさを増すばかり。その中で経営側の立場に立つことは、想像以上のプレッシャーを伴うものでした。日々の業務をこなしていく中では気づきませんでしたが、知らず知らずのうちに心の奥底に積み重なっていた緊張が、この瞬間に一気に解き放たれたのでしょう。
これまでの御用納めの日には、これほどまでに疲労を感じたことはありませんでした。若かった頃は単純に体力や回復力があったのか、あるいは「疲れ」を認識する余裕すら持てないほど前のめりに過ごしていたのかもしれません。
しかし、この「どっと押し寄せる疲れ」は、必ずしもネガティブなものではないと気づきました。それは私の体と心からの率直なメッセージなのです。「よく頑張ったね。でも、少し頑張り過ぎたかもしれないよ」と、優しく語りかけてくるような。
若い頃の私は、疲れを感じると「まだまだ頑張らなければ」と自分を追い込むことが多かった気がします。しかし今は、「休息もまた大切な時間なのだ」と素直に受け入れられるようになりました。これも年齢を重ねることで得られた、ひとつの成熟なのかもしれません。
この年末年始は、普段のせわしなさから少し距離を置いてみようと思います。ゆっくりと料理を楽しんだり、お気に入りのお酒を味わったり、最近興味を持ち始めたAIについて調べてみたり、podcastの配信準備をしてみたり。「やらなければならないこと」ではなく、「やってみたいこと」を中心に据えた時間を過ごしてみようと思います。
私たちは皆、仕事や家事に追われる日々の中で、知らず知らずのうちに疲れを蓄積させています。だからこそ、この年末年始という節目に、ほんの少し立ち止まってみるのが良いのでしょう。温かい一杯のお茶を、いつもより少しだけゆっくりと味わう。気になっていた本を、急がずじっくりと読んでみる。そんな小さな「自分時間」が、新しい年を迎える私たちの心と体をそっとリセットしてくれるはずです。
現在お預かりしている施設を、後進の方々により良い環境を整えて引き継ぐこと。それは私にとって大切な使命です。しかし、そのためにも時には立ち止まり、自分自身をいたわる時間を持つことが必要なのだと、今年の御用納めの日に、心身からのメッセージとして教えられた気がします。
新しい年が、皆様にとって実り多き一年となりますように。そして、時には立ち止まって深呼吸する余裕を持てる、そんな穏やかな日々が訪れますように。