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お肌がカサカサしていませんか?
スーパーなどで化粧品を売っている場所があります。その前を通りすぎると、保湿効果をうたったようなクリームや化粧水などがよく売っていますね。確かに水分が逃げないようにしてあげるのは大切なのかもしれませんが、肌から逃げていく水分は、ほとんどが汗腺という汗を出すところから出ていくのだろうと思います。そうすると、表面にいろいろ塗って水分を逃さないようにするという事は、その汗の出口に蓋をすると言う意味なのでしょうか。皮膚表面は細胞自体の核もなくなり、いわゆる細胞としたら死んだ状態の角質と言うもので覆われています。本当に肌の潤いを取り戻そうとするのなら角質の下にある肌の細胞自体を元気付けてあげないといけません。そのためには体の中から改善しないと、うるおいのある肌なんて無理だと思いませんか。もちろんクリームなどで非刺激性を抑えてあげることは大切だとは思いますが、保湿と言う言葉に踊らされ過ぎていませんか。
これから冬に向けて肌の乾燥がひどくなってくるという人が増えてきます。そういう時、漢方では血虚と捉えることが多いです。その場合の血虚というのは肌の栄養分が足りていないと言う意味を表します。血虚を補う補血剤を使うとともに、血液の循環も良くしてあげる方向を目指す、そんな処方を選ぶと良いかもしれませんね。ただ、実際に、肌荒れに対する処方を考えるときには、肌がカサカサであると言うこと以外のいろいろな症状を合わせて考えて処方を決めるので、一概にこれとは言えません。以下に代表的な処方をご紹介してみます。
女性の場合によく処方するのは桂枝茯苓丸加薏苡仁湯(けいしぶくりょうがんかよくいにんとう)です。これは血の巡りを良くする桂枝茯苓丸に、お肌の調子を良くしてくれる薏苡仁を加えたものです。もちろん循環を良くするだけでなく、補血、つまり血を補うような意味合いも含まれています。服用しているうちにシミが薄くなったりあるいは肩こりが良くなったりなんてことも期待できますよ。
高齢の方で、肌がカサカサで粉がふいたようになって、かゆくてかきむしってしまう、などという方によく使うのが当帰飲子(とうきいんし)です。補血とともに、潤いを与える生薬、元気付ける生薬、それに痒みをとめてくれる生薬などが含まれています。
痒い場所が熱を持っていて、赤く腫れているというときには、黄連解毒湯(おうれんげどくとう)を考えることが多いです。体質のイメージとすれば、高血圧傾向の少しイライラおじさん、といっても男性専用というわけではありません。体も心も熱を冷ますという意味合いの処方ですから、虚弱な方や冷え性の方には少し使いづらいと思います。
少しジクジクした感じがある皮疹で痒みのあるものには、消風散(しょうふうさん)を思い浮かべます。石膏や知母で冷やし、血を補い、水分代謝をよくし、痒みを止めてくれます。
これら以外にも、状況に応じて選択肢に上がってくる処方が多く存在します。痒みで悩んでいるのでしたら、漢方薬を試してみる価値はあると思いますよ。
痒みという感覚は、痛覚刺激の軽いものだと言われています。痒みも痛みも日常生活に大きな影響を与えますよね。そんなものとおさらばして、快適な日常を送りたいものです。
では快適な日々をお送りください。お大事にね。