日本人だから知ってるでしょ?複雑なゼブラのスクエアの名前

日本人なのに、日本に関する質問をされても正確に答えることができず、人々に、ずさんな日本情報の流布をしています。

前々回に、猿が入ってる温泉の地名を聞かれたのに、方角で答えるという暴挙に出てしまったことに対して懺悔をしました。(→聞かれて答えられなかった温泉地の名前

地名を聞かれているのに、方角で答えるとはひどい話です。

もし誰かに「出身どこ?」と聞いて、「西」と答えられたら、聞いている方は「は?」となります。なんだこいつ、答えたくないのかな?って思うかもしれません。

せっかく会話の種を優しくまいてくれてるのに、種に灯油をかけて燃やして、コンパスを顔めがけてバチンと投げ返すような、暴挙です。

実は、この猿の温泉について聞いてきたおじさんに、もう一つ質問をされていました。

おじさんは「あのよく見るゼブラのラインがいくつもあって、人がたくさんいるところ、何て言うの?」と質問しました。

横断歩道がたくさんあって、人がたくさんいるところ。渋谷の駅前のアレですね。

私は「シブヤ」と答えました。

するとおじさんは「あの場所には、呼び名はないの?ニューヨークのタイムズスクエアみたいな、名前ないの?」と聞きました。

タイムズスクエアみたいなやつ・・・?

あなたなら、なんと答えますか?

私は「ない」と答えてしまいました。

私の頭の中では、渋谷の駅前の交差点の映像が、ニュースでよく見る上から映した画角で、再生されていました。そして、「渋谷の駅前交差点は・・・」と言うアナウンサーの声も流れていました。

だけど「渋谷の駅前の交差点」ってあまりにもくどくどとした説明的すぎて、「タイムズスクエア!」みたいな一発でグッとくる固有名詞、という感じがしなくて、「ない」と答えてしまったのです。

おじさんは、「そっか、ないんだ」と、受け入れて、少し寂しそうにうなずいていました。

私はその後、家に帰って気づきました。「渋谷スクランブル交差点」じゃないかと。これがタイムズスクエアに肩を並べる名前ではないのかと。

渋谷スクランブル交差点。英語では「Shibuya Scramble Crossing」。シブヤ・スクランブル・クロッシング。

スペイン語だと「El cruce de Shibuya」だそうです。

エル・クルセ・デ・シブヤ。なんだろう、なんかおしゃれなクルーズ船か、白くて長い帽子を被った有名パティシエがプロデュースした洋菓子店みたいな響き。

タイムズスクエア!みたいに短くて叫びたくなる名前でもない。でも、今度おじさんに会ったら、伝えてみよう。

こないだ、あの東京のタイムズスクエアみたいな場所、名前ないって嘘ついたけどあったよ、シブヤ・スクランブル・クロッシングだよ、スペイン語だとエル・クルセ・デ・シブヤらしいよ。

もし、今度、誰かに渋谷の駅前交差点と、猿が雪の中で温泉に浸かってる場所の名前を聞かれたら、慌てて逃げずにちゃんと答えます。

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