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渋ガキ泥棒



秋が深まるこの時期には、葉っぱが落ちた柿の木に、赤い柿が残っています。
私の家のお向かいさんには、大きな柿の木がありました。
毎年、美味しい柿をいただきました。
小学校5年生の時、一緒に家の前で遊んでいた同級生の男の子たちに(当時は車の通りのなかったので、道いっぱいで遊んでました)
「ここの家の柿は美味しいんだよー」
と話をしたところ、「じゃあ!とって食べよう!」
という話になりました。
でも残っている柿は、木のだいぶ上、ジャンプしても、肩車しても取れません。
男の子1人が自転車を持ってきて、
自転車を漕ぎながら、自転車のサドルに立ってジャンプ!
見事に一つの柿を取りました。
着地して、意気揚々
「絶対うまいんだよな!」と言いながらガブリ!
「渋い!」と大騒ぎ!
自転車が倒れた音で、自宅からお母さんが出てきて、騒ぎの様子を見ながら、「渋抜きしてないからそりゃ渋いさ!」と言いました。
渋柿が、渋抜きで甘くなることを知らなかった私は、しばらく学校で嘘つきと呼ばれました。
果物泥棒③でした。

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