目の前に救急車が停まった
大きなスーパーの横にあるバス停で
バスを待っていた。
どこからか救急車のサイレンが聞こえてきて
スーパーの中から従業員らしき男の人が
飛び出してきて
大きく手を振っている。
目の前のバス停に停まった。
こんな近くに救急車が停まるのは
初めてだ。
何事かとスーパーのガラス越しに腰を据え
見守るおばさん数人。
大きな道路をはさんだ向こうにも
手をかざして見ているおばさんがいる。
私はバスを待っているんだけで
たまたま堂々とここに立っているのです
という顔で立っていた。
しばらくするとバスより先に
ストレッチャーが戻ってきた。
口を開けたまま動かないおばあさんが
乗せられている。
花柄のエコバッグを持ったおじいさんも
どうしたらいいか分からないといった顔で立っている。
店の人が状況を説明している。
倒れて頭を打ったようだ。
バスが来たのでその場を離れたが
10分ぐらい走ったところでサイレンが
聞こえてきた。
バイパスと交差している大きな道路の信号待ちで
右折車線に救急車がついた。
これは車も避けようがないなぁとバスから
見ていると
道を開けてくださいと救急車が言っている。
真ん中にはポールが立っているし
片側四車線の列はうまっている。
どうするんだろう。
大きく反対車線に突っ込む形で前の車が移動して
なんとかできた隙間をそろそろと進み
大きな交差点へ突っ込んでいった。
あれはさっきの救急車だろうな。
あのご夫婦は親より少し上だろうか。
こんなことがいつ起こっても不思議では
ないよなぁ。
二人暮らしで一緒に買い物に来ていたんだろう。
普通のなんでもない一日になるはずだったのに
突然日常が壊れる。
昨日は母親の80歳の誕生日だった。
ちょっとした移動(どこへ?)に使える
キャリーバッグがほしいと言われて
見に行った。
それの前はパソコンデスクがほしいと言っていた。
さすがにそれは何かで代用すれば?と
あきらめてもらった。
まだまだほしいものがいっぱいありそうで
驚いたけど
元気でいてくれるだけでもありがたいと思おう…。
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