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言葉で紡ぐローカルを追いかけた2024年

緩やかな趣味として行っていたインタビュー。それが気づけば、自治体も巻き込めるようなうねりとなった2024年。
楽しさ、いうなれば快楽からの活動がこんなに広がりを予感させるものとなるなんて、人生はおもしろいなと思うばかりです。


ローカルな人×無名人インタビュー

私は2021年2月から、「有名人だから面白いんじゃない。人は誰でも素晴らしく面白い」をコンセプトとするインタビュー企画「無名人インタビュー」にインタビュアーとして参加し、それ以外のメディアでもインタビューライターとして活動してきました。

私の興味関心がローカルや地方創生なので、2022年ごろから無名人インタビューでもローカルに関する企画を始めさせてもらいました。
Rural Laboさんとはこの時からのお付き合いと思うと、もう長いお付き合いになりますね。)

ちょうど1年前のローカルインタビューの状況はこんな感じでした。

そこから、2024年の1年で状況がずいぶん変わりました。

ローカルに生きる人をはじめ、だいたい100人くらいにインタビューをしてきた私が、
インタビューのおもしろさを追求していろんな人とつながっていくことでいつのまにか行政の連携とも並走し(というのもおこがましいですが認知はしていただいている)、地方創生文脈では先進的自治体として名の通る島根県海士町、福島県磐梯町、埼玉県横瀬町とかかわりを持つことができました。

おもしろいよね、といって始まったものだから、お金の流れ、仕事の流れにはなっていないけれど、確実に人の流れ(の支流くらいは)つくれたと胸をはれるかなと思っています。

言い出し、巻き込まれ、楽しんだ2024年

個人的には、地域づくりに関わる会社員から地域づくりに関わるフリーランスになった2024年。
自分が関わって楽しいからと続けていた無名人インタビューでも、気づけば地域に深く関わるようになった1年でもありました。

12/16にはまとめのイベントもやりました!


2022年からローカルを舞台として活動する人々にインタビューをし始めて、緩やかにはじまったマガジンにも、今では89本の記事が収まっています(2024年12月31日現在)


2023年末に海士町職員さんが無名人インタビューに参加してくださったことから接点が生まれて、
「海士町行ってみたいんですよね」と年末に言ったら1月半ばには海士町と無名人インタビューの打合せを組んでいただき、インタビューの3週間後には海士町行きが決まるというスピード感。

2024年は私個人として一回、チームとしては二回海士町でインタビューを実現できました。

それを契機に本当にたくさんの海士町の人にインタビュー参加していただきました。

時を同じくして2024年春から磐梯町地域おこし協力隊の方がチームに参加してくれたことから磐梯町の人にインタビューするシリーズが始まりました。


それから、海士町インタビューまとめ本、磐梯町インタビューまとめ本をつくって、文学フリマに出店して、なんと図書館にも置いてもらって…

横瀬町(私)と磐梯町にインタビュアーがいて、会社員時代は行ってみたいな、と思っていた海士町にインタビュアーという名目で行かせてもらって。

もちろん、インタビューをする、受けてもらうに限らず、
訪れた際に会った海士町の大人の島留学生の方と対談インタビューをしたり、東京で飲み会を開いたり、イベントに参加したり、一緒に横瀬町に遊びに行ったり…

全然知らない人だったのに、ローカルを共通言語として「会いたい」「話すと楽しい」関係を結ぶことができたことは、これまでのんびり楽しさドリブンでインタビューを続けてきたことのご褒美なのかもしれません。


そして、ゆるやかなつながりを武器にできるのか

生み出したゆるやかなつながりという価値の原石を、どう宝石となるように磨き上げていくのか。それがこれから私に課された宿題なのではないかと思います。

この価値をどうやって可視化していくべきか。

ここでの「価値」は経済的な価値に限られません。
目先のお金を稼ぐことだけではなくて、長期的に私がインタビューを通して誰にどんな豊かさを与えられるか。
言葉で紡がれてきたローカルの豊かな暮らしを持続させられる世界に向けて、私ができることは何か。

さらに、その換金されない豊かさを、換金されるものだけに価値を感じる人に対してもある程度分かりやすいように、どう伝えていくのか。
非常に抽象的ですが、これを噛んで飲み込める未来を目指していきたいと思います。


「そうだ、地域の魅力は『人』だからインタビューしよう!」
それ自体はどこかで聞いたことがある言葉で、ありふれた手法かもしれません。そこで紡がれた言葉も、この世界の99%の人にはピンとこないものかもしれません。
それでも、だれかにとってありふれた愛おしい日常に触れるには、非常に優れていて、豊かさの手触りを感じられる手段です。

インタビュー結果を編集し、メディア化し、広めようとすることは、様々なメディアやコンテンツが人の時間を奪い合うこの戦国時代においてはもう時代遅れになるかもしれません。

でも、聞くこと、話すことは人の暮らしから消えません。

何よりも私は、時に躓き、時に自信過剰になり、時に不安になり、時に行動し、時に誰かを救い、時に誰かに救われる、そんな人のいとなみすべてを興味深く愛おしいものだと思っています。

これからもたくさんの愛おしい人々に会えることを願い、これからも人に向き合う人生にしていきたいと思う、2024年の暮れとなりました。

引き続きよろしくお願いいたします。

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