緊張

先日、全く同じ題でブログを書いた。あの日は本当に駄目で、心音がずっとバクバクうるさくて、袖で手が震えるのを誤魔化すようにぎゅっと握りしめていた。

今日、劇団員と一緒に帰っていて「落ち着いてますよね。」と言ってもらった。思わず「いや、普通に緊張はしますよ。」と返してしまったが、確かに私はあまり緊張しない。というか、緊張はする、けど、その緊張を自らコントロールして、外に出ないよう最小限に抑えることが出来ている、というのが正解なんだと思う。そりゃ緊張しますよ。人間だもの。けど、自分で平常心に持っていく術を知っているという感じかな。普通に緊張はする、けど猫かぶって上手く隠してないことにしている、みたいな。

手が震えるほどの緊張は私にとってすごく珍しいことだ。

それでもアナウンスは毎回緊張する。本編よりも、上手く緊張をいなせてないなと思う。あれはきっと、あの場に大勢のお客様vs私一人だからだろう。いや、別に戦ってるわけじゃないけど。けど、気分としてはそんな感じ。間違ったところで、誰もフォローを入れてくれる人はいないから。それが出てるのだろうな、今日お客様に「もっと自信もって喋ればいいのに。」と言われてしまった。私としては、精一杯落ち着いて胸を張って喋っているつもりでも、拭いきれない不安感は伝わっているんだろう。

でも本編は違う。なにかミスしても大先輩達がきっとなんとかしてくれると思えば、いくらか落ち着くし、その結果大きなミスはしない。まぁそもそも台詞量が少ないというのはあるけれど、それよりなにより不安がないのだと思う。不安がないというのは大きい。私は初めてこの舞台で全く不安の無い状態でお芝居することが、こんなに楽しいものかと知った。この環境に恵まれたことには本当に感謝だ。

本番もあと4回。そのうち出演は2回。アナウンスも2回。舞台上にいる時間は短いけど、女性陣出番少なくて勿体ない、なんて言わせないインパクトと余韻をあのワンシーンで残すことが出来れば、と思う。グルシェンカは、私は、そこに居なくとも物語の中にずっと存在しているのだと。

食らいついていきたい。文字どおり。

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