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狂犬病のこと、どれくらい知っていますか?

こんにちは、動物看護学生です!
今回は狂犬病についてご紹介していこうと思います!
狂犬病は今では有名な感染症ですよね。
ですが、その恐ろしさについて皆さんはどれだけご存知でしょうか?

致死率99.9%の殺人ウイルス

今回は私が習った「動物感染症学」と「公衆衛生学」での内容を参考に進めていきます。
狂犬病ウイルスとは全哺乳類と鳥類が感染するズーノーシス(人獣共通感染症)です。潜伏期間は犬だと2週間~2ヶ月、人だと1ヶ月〜3ヶ月と言われています。他のウイルスと比べるととても長い潜伏期間であることが特徴です。また感染経路は、咬傷感染(噛まれて伝染る)、飛沫感染、臓器移植などが上げられます。世界的に年間5万人が死亡し動物は数十万頭にも及びます。このウイルスに感染し発症した場合10日ほどの経過で死亡します。本当に恐ろしいウイルスですよね…。ですがこんな恐ろしいウイルスが今の日本でなぜそれほど恐れられていないと思いますか??

日本の狂犬病事情

日本は狂犬病ウイルス洗浄国の1つです。つまり、ウイルスがない国なんですね。
では、なぜウイルスがないのか、その理由として1つは狂犬病予防法という法律が存在するからです。狂犬病予防法により、全ての犬の登録とワクチン接種が飼い主には義務づけられています。生後91日の子に年に1回接種します。そして、登録・接種の他に鑑札と注射済み票の装着が義務づけられています。これは、ワクチン接種をすると貰えるものでしっかりした飼い主さんだと首輪につけてることが多いです。最近は可愛いデザインの鑑札などもあるみたいですね!!そもそもこれが義務だってことご存知でしたか?
狂犬病?そんなものなるわけないってワクチン接種をしない方も多いのではないでしょうか?しかしそれは本当に良くない判断なんです…。

もしもウイルスが日本に来たら…?

もし今の日本に狂犬病ウイルスが侵入したら、あっという間に感染が広がるだろうと言われています。なぜなら、ワクチン接種率があまりに低いからです。
皆さんは集団接種はご存知でしょうか?これは地域でワクチンを接種することで感染拡大防止を計ることです。一般的に拡大を防止できるのに必要な接種率とは全体の70%以上が最低条件です。つまり、もう気がつかれた方もいるかと思いますが日本の狂犬病ワクチンの接種率は70%以下ということです。ペットフード工業会によると予想飼育頭数10.872.000頭であり、平成25年厚生省発表の予防注射報告数4.899.484頭でした。これから考えると接種率はおよそ45.1%という結果になります。(少しデータが古いので現在は多少数字の前後はあると思います)まさかの半分の50すら超えていません。さらに日本における狂犬病の輸入検疫対象動物は犬、アライグマ、キツネ、スカンク、ネコのたった5種類です。全哺乳類が感染するにも関わらずたったの5種類です。ウイルスがいつ日本にきたっておかしくないんです。北欧ではコウモリが主な感染動物とされています。ですが日本の検疫対象動物にコウモリは入っていません。そしてこの接種率…。本当に恐ろしい事実です。日本は大丈夫、うちの子は大丈夫と油断せず、しっかりワクチンは接種していただきたいです。

症状と経過

では、狂犬病になってしまったら一体どんな症状を発症するのでしょうか?

1、狂犬病感染犬に咬まれる(唾液中にウイルス排出)
2、咬傷部位でウイルスが増殖
3、末梢神経~脊髄~大脳に到達する
4、脳で増殖、遠心性に末梢へ。
そしてウイルスは最終脳に到達します。なので傷口が脳に近ければ近いほど発症までが早いということです。足を噛まれるのと肩を噛まれるのでは全然違います。そして発症すれば、発熱から始まり、咽喉痛、受傷部位の痒感から錯乱、幻覚、恐風症状や恐水症(咽頭部の筋肉が激痛を伴い激しく痙攣)を引き起こし、10日ほどで死亡します。ですが、狂犬病の致死率は100%ではないのです。

ほぼ100%の致死率なわけ

私たち人間の場合、脳にウイルスが到達するまでに治療が出来れば助かることがあります。予防法として2つあります。
・1つ目、曝露前接種(咬まれる前)…1ヶ月間隔で2回、6~12ヶ月後3回目を接種することで予防が出来ます。
・2つ目、曝露後接種(咬まれた後)…0(咬まれた日)、3、7、17、30+90日の接種により予防できる場合があります。しかし、抗体ができる前にウイルスが脳に到達してしまうと意味がありません。そして「ほぼ」100%という理由は曝露後接種により助かった人が世界で3人ほどいたためです。ですがほぼ助からないという認識で大丈夫だと思います。油断は大敵ですからね…。

まとめ

皆さんは狂犬病についてどこまでご存知ですかと初めに問いましたが、どうだったでしょうか?全部ご存知でしたか?正直私はちゃんと勉強するまで名前と死んでしまうものということしか知りませんでした。ですが、実際の接種率の低さやウイルスの恐ろしさを知り、とても危機感を覚えました。私はワンちゃんは飼っていないのですが、飼い主さんに課せられている義務の存在、一体どのくらいの人が認知していて守っているのだろうと思い今回はこの記事にまとめました。
そしておすすめしたいのが、もし日本で狂犬病が出たら…?医療ミステリーで書かれた「白い狂気の島」という小説です。狂犬病が実際日本に侵入してしまうとどうなるのかが一番分かりやすく頭に入るものではないかなと思います。
私はこれを読んでさらに危機感が増しました…。笑
それくらいリアルではあるのですが狂犬病についてもしっかり知れるので是非読んでみてください!!!

動物と人がより暮らしやすい環境になるように、知識として持っておいてほしいです。
最後までご覧いただきありがとうございました!






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