夜明け前の思考。
4時を前に目が醒めてしまって、ひとしきりグズグズした後、あまり考えずにこれを書き始めた4:45。ふと自分が過去に書いた詩を思い出して読み返した。この詩を書いたとき、同じように変な時間に目が醒めてしまって、何ともなしに書き留めたのを覚えている。ちょうど一年前だ。自分だけが生きてるんじゃないかと思うような暗闇の中で起き上がって、カーテンを少しだけ開けて外界に目を細める。街灯の灯りではなく、建ち並ぶ家々から放たれる光を探して、見つけると少しだけ、ホッとするのはなぜだろう。私と同じように、秋の虫の声を聴いているかもしれない誰かを想う。一年前は白湯を沸かして飲んでいたらしいけれど、今夜はなんだか暑いから、常温の水で喉を潤す。車のエンジンをかける音がした。誰かが出掛けていったらしい。自分だけが生きてるんじゃないかと思うような夜を走るのはどんな氣持ちなんだろう。何を感じるんだろう。孤独なのか、それとも優越感なのかな。毎日の繰り返しならば何も感じないんだろうか。今この瞬間の私は、一年前の今頃の私が、何とか生きていたから今この瞬間、これを書くことができているんだと、淡々と、でも強く、確実性を持った現実が、オレンジ色の間接照明の下で、熱を帯びて迫るのを感じている。頑張ったよね、ありがとう、私。そんなふうに思える日が来てよかった。こんなちっぽけな思考を書き留めて何になるんだろうと思う自分と、別に、いいじゃん、どうせ誰も見ないわよ、と思う自分が喋っている。こうやってわたしとワタシが話しながら、喧嘩しながら、譲りながら。そう、こうやって生きてきたの。これからは、赦し合っていこうよ、わたしと、ワタシ。どこで、どう生きてたって、どうせ愚かな人間の一人で、どうしたって愛おしい、たったヒトリの私なんだからさ。
そう思わない?
夜中に目が醒めちゃって、似たようなこと考えてる君へ。この世界のどこかで生きる、愚かで愛おしい誰かへ。
大丈夫。だいじょーぶ。