
食べることが好きな私が食べることが怖くなった話 #1【体験談】
「趣味はおいしいものを食べることです。」
小さいころからこんな自己紹介をしてきました。今もおいしいものを食べることが大好きですし、暇さえあればSNSで新しいカフェや一人呑みができる素敵な居酒屋を探してしまいます。
食べることが大好きな私が、食べることが怖くなってしまったのは12年前。ちょうど中学生から高校生になるころでした。
食べることが怖くなったその経緯や、今普通に食べることができている幸せ、10年経っても怖いことを、摂食障害を患った実体験から記していこうと思います。
周りから認められたかったあの頃
幼少期はとにかく元気ではつらつな子でした。どの写真を見返しても、幼いころの私は満面の笑みでカメラを見つめています。自分の長所は明るくハキハキしていること、周りを元気にできるところ、そんな自覚を幼いながらも持っていました。
周りから頼ってもらえると嬉しいし、認められたい、みんなに好かれたい、そんな思いが人一倍強かったと思います。中でも一番気にしていたのは年上の人からの評価。学校の先生や友達の両親、姉の友人からよく思ってもらえるよう、立ち振る舞いを気にしていました。
そんな私は小学校では児童会長を務め、成績も非常に良かった。我ながら、いわゆる「人気者」でとても良い子だったと思います。
「人気者」から「細い子」になった中学時代
そんな私に変化が起きたのが中学時代。
それまで仲良かった友人がバスケ部やバレー部、合唱部に入る中、私は学校の部活動には入りませんでした。私のいた中学では、部活動のコミュニティが力を持っていたため、登下校、休み時間、校外学習の班分け、、、いろんな場面で部活動の仲間を基準に人間関係が築かれていきました。
もちろん私にも友達がいなかったわけではありませんが、誰にとっても「仲の良いクラスメイトの一人」という立ち位置。小学校からの友人との間にも自然と距離ができるようになりました。その頃は、自信をもって親友といえる子はいなかったように思います。
私が部活動に入らなかった理由、それは習い事に力を入れていたからです。新体操やバレエのような身体美が求められるスポーツで、個人・チームの種目両方に取り組み、本気で全国大会や世界大会を目指していました。練習はほぼ毎日、大会前の土日は1日9時間練習が当たり前になる程でした。
もともと運動神経やセンスがあった訳ではないけれど、頑張りたい・認められたいという気持ちで努力を重ね、なんとか上手なお姉さんたちと一緒にやらせてもらっていた、上位層の底辺に必死でしがみついていました。
小学校時代は元気はつらつな「人気者」だった私が、次第に自分に自信を失くしていきながらも学校の友人や習い事の先輩たちに褒められたこと、それが「体型」でした。
もともと小柄で太りにくい体質で、当時は145cm・35kgくらいだったと思います。人並みに食事やお菓子も食べていましたが、体質に加えて成長が遅かったこともあり周りが女性らしい身体つきになっていく中、私は子供体型のままでした。
「はなまるちゃんって細くてうらやましい」
「華奢だから衣装が似合うよね」
そんな言葉をたくさんかけてもらった私は、細いこと=私の長所だと認識し、この長所をもっと認めてもらえるように頑張らなきゃと思うようになりました。
今思い返せばこれが、摂食障害という病気と付き合っていくきっかけの一つになったのだと思います。
ここまでお付き合いいただきありがとうございます。
今後の投稿では、摂食障害になるまで、病気の自分を受け入れるまで、を記していこうと思います。
同じ病気を経験している方、周りで支えている方はもちろん、今は病気と縁がない方も「そんなことあるんだな」と気軽に読んでいただけたら嬉しいです。