田舎者と東京

大学に入りたての頃、新入社員の頃、地方から上京してきた人たちが、「東京は冷たい」「人が多すぎる」等々文句を言っていたのを、「東京嫌なら帰ればいいじゃん」と思っていた江戸っ子です。

地元ラブなので、地元東京の悪口を聞くのは気分のいいものじゃないんです。

東京は地方から来た人々が、それはもうたくさんいて江戸っ子はもとより、東京生まれ東京育ちを探すのが困難なほど。だからもういい加減、上京したての人々のいう東京の悪口にも慣れてきました。

そして、そういう悪口を言っていた人間に限って、地元に戻らない、こともよくわかりました。

数年後には転勤で地元戻りたい、東京は住む所じゃない、そう言ってたのに、いまでは、東京の街の隅々に誰より詳しく、地下鉄私鉄の乗り換えに詳しく、流行な店も知っている。最近の彼らは、東京に家を買うのが夢。と熱く語ります。「10年東京に住んでるからもう、東京もんだし」

田舎者だな、と思います。ガツガツとして卑しいなと思ってしまう。

私の住んで居る街は古くからある住宅街で、その昔、引っ越ししたきた方は隣とお向かいくらいには挨拶にきていました。いまでは、見慣れた家、壊されてるなー建て替ええるのかなと思うと、後に3軒から6軒くらいの庭がなく、やけに縦に長い家が隙間なくビッシリと建ちます。そして新しい住人がやってきます。引っ越しの挨拶に来た人はいません。挨拶もしてこないのに、親子キャッチボールでボールが入ったと親の方が、勝手に裏口開けて入ってきたり、うちの玄関先で勝手に親子でミカン狩りしていたりします。

びっくりです。引越しの挨拶も来ないのに、無断で敷地内に入ってくるって、民度、低すぎるでしょう。と思っていたら、あぁ彼らの出身地方の地元ルールでは無断でOKなのかも、と気付きました。外出の際でも鍵をかけない地域もあると聞きますし。ですが、地元ルールを無理やり東京に適用させないでほしい。いくら庭のない家に住む彼らでも、いきなり敷地内で知らない人に遭遇するびっくり加減は想像できるはずです。

田舎者の自覚を持って東京で暮らしていただきたい。

これだけ。


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