二人で会うときにはいつも、手をつないでいた。その人の手のひらは厚くて大きくて暖かかった。3年間。週に一度。いつもの場所で待ち合わせて、いつもの場所で別れるまで。 目先の快楽より彼氏作ればいいのに。 ベッドの上で彼の言った何気ない一言。 えぐれた。心は胸の奥にあるっていうのが分かるぐらいにはっきりと、私の心は結構奥深かったんだって思った。 もう会うのやめようっていう連絡に、ホッとしたような返信があって、そのまま終わった。ごめんの一言もなく。 あの一言は万死に値するんじ
大学に入りたての頃、新入社員の頃、地方から上京してきた人たちが、「東京は冷たい」「人が多すぎる」等々文句を言っていたのを、「東京嫌なら帰ればいいじゃん」と思っていた江戸っ子です。 地元ラブなので、地元東京の悪口を聞くのは気分のいいものじゃないんです。 東京は地方から来た人々が、それはもうたくさんいて江戸っ子はもとより、東京生まれ東京育ちを探すのが困難なほど。だからもういい加減、上京したての人々のいう東京の悪口にも慣れてきました。 そして、そういう悪口を言っていた人間に限
むかしむかしあるところに、一人のOLが住んでいました。 OLはいつもいつも疲れていました。 朝早くから夜遅くまで毎日毎日仕事に追われていたからです。 友人も皆結婚し子育てに忙しく、以前のように休日に遊びに行く仲間もいなくなりました。 週に一度の休日は一人部屋で寝るかインターネットをするかの日々。 まともな食事はほとんど摂らず、空腹を感じた時にチョコレートをかじるような休日。気づけば平日は社食のランチのみ、土日はミルクティーだけなんていうことが続くようになりました。