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withコロナ~幼稚園給食業者の日記
初めまして。北海道より飲食店経営者としての現在の想いを綴ります。
今年の2月末までは…
日本中がまさかこんな状態になるなんて、正直まったく思ってもみませんでした。
2月28日 北海道、最初の緊急事態宣言。
ここから徐々に歯車が狂い始め、飲食業のみならず他の様々な業種も業績が悪化へと向かいました。また子ども達も大好きなお友達やお世話になった先生にも会えず、卒園式が中止あるいは限定されるなど多くの方々が不安や悲しみに苛まれたのではないでしょうか。子ども達は、今まで運動会や遠足などを含む園生活を通して心身共に逞しく成長されてきたかと思います。今日まで17年間、その姿を陰ながら見守ってまいりました一業者一個人としましても、今年度の行事等の中止には何ともやりきれない寂しさを感じます。
3月に入ると学校は一斉休校となり、また幼稚園も小学校に倣いすべて休園。当社で受注済みの給食も3月分はすべてキャンセルとなりました。
当社は現在、幼稚園給食のみで経営しており、給食を通して子ども達の成長や食育、また親御さん幼稚園さんのお手伝いを少しでもさせて頂きたいという想いで経営してまいりました。そして今後も応援し続けていく気持ちに変わりはありません。また、幼稚園給食に特化した当社は各幼稚園様と契約した上での取引となる為、事前に受注をいただき年間の売り上げの数字もおおよそ見えていました。給食さえ再開となれば確実性がありましたし、他の飲食店経営者様の大変なご苦労と比べると、コロナの影響に対しては3月の時点ではさほど深刻に捉えてはいませんでした。
しかし3月からの休園延長が5月31日までに…。
ここまで長引くとは正直思ってもみませんでした。当社の売り上げは、あくまでも幼稚園給食の提供が絶対条件となるため、3月は前年度比60%減。それでも幼稚園様からの一時預かりや学童保育、また認定こども園さんの部分での注文を頂いておりましたので、まだ3月は凌げる範囲でした。ただ4月以降の固定費や人件費等を考え、早急な対策は必要かと思いましたので、まず国や道の補助金を待つよりも私は融資を選択しました。補助金などの申請は時間も手間もかかりますので後回しです。パート従業員の生活も在りまし、雇用維持と会社の存続は、給食再開そして子ども達の為にも絶対に守らなければなりません。結果、4月から一瞬始まりかけたもののコロナ収束には至らず…
4月17日、再び緊急事態宣言。
現在まで未だに休校休園延長となっている状況を考えると、まず融資を選択したことは間違いではなかったと思います。
4月の売り上げは前年度比50%減、5月はまだ見込みとなりますが80%減です。 今月はパート従業員も完全にお休みにし、雇用調整助成金の申請はせずに休業手当の支給でご理解してもらいました。こちらの申請手続きも後に行えば良いと思っております。
今は1日でも早いコロナの収束を祈りますが、過去の感染症の歴史を紐解けば何度も波が押し寄せ長引く可能性もあります。今後は飲食業に限らずかなり厳しい時代になるかもしれません。しかし、いつまでも立ち止まってばかりいても前に進むことは出来ません。私たちに出来ることは、まずしっかりコロナと向き合い、どのように対策をして行くべきかを考え、そしてこれからは…
「withコロナ」で行動するべきだと思います。
飲食業で考えると、お店に出かけて食事をする外食もあればテイクアウトやデリバリーなどの中食もありますし、その業態は多種多様です。その中で今後厳しくなる業態、逆に伸びて行く可能性があり、どのような業態が生き残るかは今の状況を捉えると飲食店経営者の方であればすでに見当がついているかと思います。
これはあくまでも私個人の考えですが、今かなり厳しい状況にある「外食」の業態であれば、まずコロナや今後のウイルス対策として衛生面の徹底が重要になるかと思います。
例えば…
・店内外やトイレの消毒、除菌。さらに空気清浄機などの導入。
・また客席の完全個室化。最低でも仕切りは必要。
・予約制。来店時間を少しでも分散させることによってお客様同士の接触をなるべく回避させる。
…など他にもまだまだ出来ることはありますし、ウイルス対策としての取り組みをお客様に宣伝する事は、今このような状況だからこそ絶対に必要です。そして飲食店であれば日頃から当たり前のように心掛けている「安心・安全」は、再開する上で外食、中食を問わず集客にも繋がるセールスポイントのひとつになるのではないでしょうか。
テイクアウトやデリバリーは今後も需要が高まると思いますが、大手飲食店もありますし販売先もイベント縮小や会議などの集まりの減少により、しばらくは個人や家庭がターゲットとなるような気がします。競業はすでに始まっていますので状況をしっかり見据え、どのように他店との差別化を図るかがポイントとなります。ニーズに合わせた提供が出来れば伸びる可能性はあるのではないでしょうか。
いずれにしても、大切なことはお客様ファーストで安心・安全なお店作りを心掛けること。そして再び利用していただけるよう適切に対策する事が、私たち飲食店経営者の務めなのではないでしょうか。
素晴らしいサービスの提供が出来れば、各お店のファンになられていたお客様はまた利用してくださるはずです。
そもそも、
「新しい生活様式を…」
と急に言われても簡単に習慣を変えられるとは思えません。自粛が緩和され沢山のお店が再開となれば、今後もそれぞれのニーズに合わせてお気に入りのお店に行かれるでしょう。またはテイクアウトやデリバリーを利用し友人やご家族など大切な人と美味しいお料理を楽しみながら幸せな時間を過ごされるかと思います。ですから、ライフスタイルがどのような形に変化しても飲食店は不可欠なものなのです。またポジティブに考えると飲食店は状況に合わせて業態をシフトして適応させることも可能です。柔軟に対応が出来るという点では今後のお店の維持または成長させる上で大変な強みになると思います。
私の経営する会社は飲食業の中でも「仕出し・給食弁当」という業種で更に「幼稚園給食」という特殊なものとなります。給食そのものが無くならない限りは大丈夫かと思いますが、それでも給食再開とならなければ業績は戻りません。コロナの影響で休園が長引くと経営状況はどんどん悪化していきす。 現時点では給食再開の目処は6月1日からとなっておりますが、まだ流動的ですので油断できませんし、会社存続のためにもしっかりと対策を考え奔走しております。今は必ず再開されることを信じて待ち、そして1日でも早く子ども達へ美味しい給食を「安心・安全」に届けられるよう今後も一生懸命努めていきたいと思います。
他の飲食業の経営者の皆さまも決して希望を捨てず、必ず再開できるよう柔軟に対応・対策をし、共に頑張りましょう!
最後まで読んで頂きありがとうございました。