〈妄想装丁〉 『パドルの子』出版一周年記念で、作ってみました
昨年の7月7日、夫著『パドルの子』のポプラ社小説新人賞の授賞式でした。日付に疎いわたしですが、七夕の日なんて縁起がいい!とよく覚えています。
それを記念して、また七夕のお願いとして、小説家としての夫のこれから・デザイナーとしていつか夫本の装丁をできるようにの思いを込めて、つくってみました!〈妄想装丁〉。要はファンアートです、、!
(まずは概要のためにも本のあらすじを少し↓)
「パドルって、何?」
「水たまりに潜って、新しい世界を、混ぜちゃうの。こっそり、ね」
中学2年生の水野耕太郎は、唯一の親友だった三輪くんの転校をきっかけに、屋上へ出る階段の踊り場を「別荘」と名づけ、昼休みの時間をひとりで過ごしていた。
夏休みを間近に控えた7月の昼休みのこと。水野がいつものように別荘で時間を過ごしていると、ザッパーンという大きな音が屋上の方から聞こえてくる。ふだんは施錠されているはずの扉が難なく開き、屋上に出てみると、そこには驚くほど大きな“水たまり”が広がっていた。そして、その水たまりで、女子生徒がバタフライで泳いでいる――。混乱し、立ち尽くす水野の目の前に、水たまりから優雅に上がってきたのは、水泳部のエースで学校一の美少女と名高い、隣のクラスの水原だった。
水原は、水たまりに潜る行為のことを“パドル”と呼び、「パドルをしながら強く何かを願うと、世界をひとつだけ変えられる」のだと説明する。半信半疑ながら、誘われるままに水たまりに飛び込んだ水野は、パドルで実際に世界が変わるのを目の当たりにする。校舎が取り壊しになる夏休みまでの8日間、水野もパドルに加わることになる。
水原がある一つの“目的”に向かって、パドルを繰り返していることを知る水野。そしてはからずも、その“目的”のためのパドルが、思いもかけない衝撃の真実を浮かび上がらせ――。『パドルの子』あらすじより一部抜粋
1、水たまり編
空想と現実を行き来する場所として「屋上の水たまり」があるのですが、それをそのまま絵にしてみました。お話にでてくるモチーフ盛りだくさんのものなので、読み終わった後に答え合わせしながら楽しめればいいな、の思いを込めて。
2. キラキラ学校編
パドルの舞台である学校の屋上の水たまりから、不思議でキラキラな世界が溢れ出すイメージ。『パドル』の持つ、キラキラして不思議でどきどきして切なくて、、の世界観を全部入れたお水がお気に入りです。舞台の中心となる屋上のシーンを膨らませました。
3.キラキラ出会い編
ボーイミーツガールな憧れの構図。キラキラのお水の中で、とにかく男女が出会うところに注目してみたものです。いろいろな要素をぎりぎりまで引きつつ、映画ポスターのように劇的なのもいいなあという思いで。
以上3作。実はずっと妄想していたものだったので、こんな機会に、せっかくなので!と作ってみましたが、どれも個人的には気に入ったものとなり楽しかったです。
装丁のお仕事はなかなかご縁がないと難しい(と感じている)ので、こんな自主制作もたまにはいいかなと。
そして、これを見た方が『パドルの子』に少しでも興味を持っていただけたら、七夕の願いごと1つは達成だな、とも思ったり。
(もちろん、本物の装丁の方も本当にとっても素敵ですので悪しからず、、!こちらはあくまでファンアートですので、、お恥ずかしい限りです。)
ちなみに、ポプラ社小説新人賞、もう次の受賞作も来週出版になったみたいです。微力ながら応援しております。
いやあ1年早い、、夫も二作目に明け暮れる日々です。わたしも、負けじと成長してたいなあ。
それではみなさま、素敵な七夕の夜となりますように。