レゴムービー 善き人が世界を救う
来週の講義の課題にレゴムービーを出した。
レゴムービーで講義を作るのは、今回がはじめて。
レゴ?ってことは子供向きの映画なんじゃない?
と敬遠してしまう人もいるかもしれない。
実際、俺もアマプラで無料になっていなかったらスルーしてしまったと思う。
レゴの世界で生きる作業員エメットは、世界を破滅から救う奇跡のパーツを偶然手に入れ「選ばれし者」になる。
お仕事大王の持つ究極の兵器スパボンの起動を防ぐために仲間と一緒に冒険に旅立つ。
主人公のエメットはレゴの世界では、ただの作業員という役割でしかない。
子供が彼を手に取って「この人形を主人公にして遊ぼう」とは思わない存在だ。
実際、物語の中でも当初は「選ばれし者」としてエメットは期待の目で見られているが、彼の力は凡庸で何もかもが普通。
レゴの世界ではレゴの力で色々なものを作る力が求められるがエメットは、いつもズレた発想のものしか作れない。
世界を救うために集まった仲間はバットマンやスーパーマン、ワンダーウーマンにガンダウルフ、ダンブルドアもいる。
エメットは、ヒーローではなくモブなのだ。
奇跡のパーツを偶然手に入れただけの普通の人。
しかも、奇跡のパーツが何なのか誰もわからないのだ。
お仕事大王にヒーローたちは必死に抵抗するが、為す術もなく敗北する。
勝利の鍵はエメット。エメットが特殊な力を使う訳ではなく、誰でも持っている善の心が物語を転がしていくのが心地よい。
決して、強い心を持っている訳ではない。
ここらへんのテーマは指輪物語を元にしているのがわかる。
何の力も持たない田舎者のホビットが指輪を滅びの山に捨てに行く。
何の力も持たない作業員が奇跡のパーツを持って冒険する。
選ばれし者という名称はスターウォーズからのオマージュだ。
そのスターウォーズのキャラクターが出ないのは、おそらく版権の都合だと思われる。
子供だけではなく、こうちょこちょこと大人も楽しめ工夫がしてあるのも面白い。
割と中盤まではエメットのキャラクターの痛さ耐えられない人もいるかもしれないが、どんどん好きになるだろう。
また、後半に進むにつれて、何故レゴなのか、突っ込みどころだと思った箇所が全部ひっくり返る展開が待っている。
文字通り騙されたと思って、大人にこそ観て欲しい映画。