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自然の中にとける

遅くなりました。
高野山編パート2です。

腹ごなしも兼ねて、奥の院までぶらぶら歩くことにしました。
途中、行きつけのお店を見つけて「先にお土産買うか」と思っていると急に大粒の雨が…
慌てて奥の院へ向かうと何事もなかったように雨は止みました。
ちゃんと見られているということです。
悪いことはできませんね。

一の橋から参道に入って木立の中を歩くと、心地よい静寂が私を包み込んでくれます。
誰もいないことを確認して、思い切ってマスクを外して深呼吸する。
ひと呼吸ごとに頭の中のごちゃごちゃが風にさらわれていくような感覚。
目を閉じると、確かに自分はここに立っているのに、自分という存在そのものが空気のように無色透明に溶けてゆく。
此処には私一人しかいないと分かっているのに、独りではない安心感。
言葉ではすくいきれない、たくさんの「そんな感じ」を全身で堪能しました。

中の橋を過ぎると人も増えてくるので、その間を縫うように奥の院へ。
授与所で献木の申し込みをしたら、腕輪念珠を頂きました。ちょっと嬉しい。
お大師さまにお参りして、しばし御廟の前でぼ〜っとして、元来た道を引き返しました。
帰りに参道の脇の巨木に抱きついてみると、昔祖母や母に抱かれていたような温もりと安心に包まれます。
ほとんど記憶には無いけれど、まだ泣いてぐずっても許されていたあの頃に戻った気がして、思わずほろり。

そんな優しい気持ちと、新たなパワーと、たくさんのお土産を抱えて帰ってきました。

さて、次はどこへ行こうかな。

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