回避依存症のリアル。カウンセラーの僕が回避依存に言及しない理由。
Xで、とくに恋愛アカウント人のポストを見ていると、“回避依存”について言及されていることがよくあります。
「最近の流行りは回避依存か~」なんて思いながら見ているのですが、僕はカウンセラーを生業にしているのにもかかわらず、そのことについて言及したことはほとんどありません。
なぜかと言うと、
・好きな男性のことをすぐ回避依存にしたがる女性がいる
・そう言ってる女性がそもそもゴリゴリの回避依存
・ていうか、そんなん言うたらほとんどの人が回避依存
だからです。
そんなわけで今回は、「回避依存症のリアル」について、お話したいと思います。
回避依存症の
特徴と背景。
まず、回避依存の特徴についてお話させていただきます。
細かいので、ざっくりとだけ把握していただければ大丈夫です。
1・親密さを回避する
他人と親密になることに対して恐れを抱き、距離を保とうとする。
「親密になりすぎると見捨てられるかも」「自分が傷つくかも」という恐怖心がある。
2・愛されたいけれど怖い
深層心理では他人とのつながりを求めているが、実際に親しくなると急に冷たくなったり距離を取る。
自分が必要以上に相手に依存することを恐れ、関係を深めるのを拒むことがある。
3・感情の抑圧・回避
自分の感情を表現するのが苦手で、とくにネガティブな感情を表に出さないようにする。
感情を無視することで、問題が解決したように思い込む傾向がある。
4・理想化と失望の繰り返し
相手を最初は理想化して親しくなろうとするが、些細な欠点や違和感に過敏になり、一気に関係を切ることがある。
「相手は自分にふさわしくない」という理由で関係を断ち、自分を守ろうとすることも。
5・長期的な関係の構築が困難
恋愛関係や友情を長続きさせるのが難しく、関係が深まる前に終わらせる傾向がある。
関係が続くと息苦しさや束縛感を感じ、自分から距離を取る。
6・人間関係の衝突を避けがち
自分の意見を伝えず、トラブルが起きそうになると無視や逃避で対処することが多い。
「話し合って解決する」という選択肢を避け、問題を先延ばしにしがち。
7・完璧主義的な思考
自分にも他人にも厳しい基準を設けるため、わずかな不一致や欠点に敏感。
完璧な関係を求めるため、少しでも思い通りにいかないと関係を切りたくなる。
8・不安と回避の両立
近づきすぎると回避し、遠ざかると不安を感じるという矛盾を抱えている。
「一人ではさみしいけど、人といると息苦しい」という葛藤がある。
とまあ、こんな感じです。
続いては、回避依存症が生まれる背景について、お話いたします。
幼少期の経験
・親との関係が不安定だったり、親からの過度な期待や支配を受けたことが影響。
・愛情を求めたときに拒絶された経験が、親密さへの恐れを強めている。
トラウマ体験
・過去に深く信じた人に裏切られたり、恋愛や友情の失敗経験が強い防衛反応を引き起こすことがある。
家庭環境
・親が感情表現を避ける傾向がある場合、その影響で子どもも感情を抑える癖がつくことがよくある。
なんとなく回避依存という言葉と意味は知っていたけど、具体的には知らなかったという人は、回避依存症がどういうものか、分かっていただけたのではないでしょうか。
僕が回避依存について
言及しない理由その1。
それでは次に、冒頭でお話したように、僕が回避依存について言及しない3つの理由について、解説いたします。
1・回避依存を都合よく使う女性
好きな男性のことをすぐ回避依存にしたがる女性がいるのですが、これはどういうことかと言うと、こういうことです。
脈なしなのを意地でも認めたくないから、相手の男性を回避依存ということにしておけば、傷つかずに済むんですよ。
つまり、「彼は私のことちょっとは好きなはずだけど、振り向いてくれないのは回避依存だからしょうがないよね」という大義名分を作っているというわけです。
カウンセリングをしていると、こういった女性からのご相談を受けることがたまにあります。
彼女たちのお話を詳しくお聞きいしていると、悲しいかな、そのほとんどがどう贔屓目に見積もっても脈なしなんです。
しかも、相手の男性の家庭環境を彼女たちの分かる範囲で答えてもらうと、「まあ別に普通の家ちゃう?」と思ってしまうような家族関係であることも珍しくありません。
ちなみに、ここで言うところの普通の家とは、虐待もネグレクトもなく、モラハラ認定されるほど、親がキツくない環境のことです。
要は、回避依存になりにくい家庭環境なんですよね。
もちろん、どのような出来事で傷ついて、心にダメージを負うかは人それぞれ違いますが、相手の男性を回避依存にしたがる女性ほど、脈なしなのを意地でも認めたがらないケースがものすごく多いです。
余談ですが、脈なしを意地でも認めたがらない女性は、回避依存のほかにも、
・好き避けに違いないと決めつける
・発達障害に違いないと決めつける
・ツインレイで魂の課題に違いないと決めつける
などがあります。
だから僕は、恋愛にまつわる情報を公開するときは、発達障害のことにも触れないんですよね。
それを言い訳の材料に使う人が必ず出てくるので。
僕が回避依存について
言及しない理由その2。
2・女性がそもそも回避依存
僕が回避依存について言及しない続いての理由は、「私の好きな人は回避依存なんです」と言ってる女性も、ゴリゴリの回避依存であるということ。
このケースもかなり多いです。
なんだったら、彼女たちの好きな男性よりも、その女性の方が回避依存傾向が強いことなんて、ざらにあります。
具体的にどのような回避依存傾向があるのかと言うと、こんな感じです。
つまり、好きな男性が回避依存で向き合ってくれないと嘆きつつ、その女性自身がそもそも、自分にも相手にも向き合ってないんですよね。
それから、もしその男性が回避依存症だったとしても、悩んでいる女性が何も分かっていないことが一つあるんですよ。
それが何かと言うと、そもそもその男性は、自分の回避依存で何も困っていないということ。
要は、今のままの人との距離感がちょうどいいし、何も変えたくないと思ってる可能性が高いんですよ。
それを、向き合ってくれないと悩んでいる女性は、「きっと彼は人と向き合えなくてつらい思いをしているはず」と変換してるんですよね。
いやいや、それアンタがつらいだけでしょっていう。
僕が回避依存について
言及しない理由その3。
3・ほとんどの人が回避依存
最後の理由は、「そんなん言うたら日本人のほとんどが回避依存やん」ということです。
なぜそう言い切れるのか、詳しく説明させていただきます。
回避依存傾向の人が
思ってるより多い理由その1。
1つ目の理由は、そもそもほとんどの日本人が、本音を言うことが苦手です。
多くの外国人がこぞって「日本人って本音言わないよね」と言うぐらいだし、本音を言わない人が多いです。
ちなみに“忖度”という言葉が流行ったのって、ここが日本だからじゃないかなと個人的に思ってます。
というか元々、「感情表現が苦手」「どう表現していいか分からない」という人も多いんですよ。
つまり、「本音の表し方自体が分からない」という人がかなりいるんですよね。
こういう人に、「もっと思ってること言って」「もっと本心を打ち明けて」と言っても、何のことを言われてるのか分かってないこともよくあります。
しかも、言われた本人からすると、「言ってるつもりなんだけどなあ」と思われていることも珍しくありません。
ほかにも、「思ってることって言われても何から話せば…」と思われていることもよくあります。
この両者に共通しているのは、自分の感情に無頓着なまま生きてきた結果、「気持ちの言語化が分からない・できない」ということです。
こういった人たちもひっくるめて、本音を言わない・苦手な人が日本人には多いので、そもそも親密な関係を築きにくいという背景があるんですよね。
だからその中で、素直で思ってることをはっきり言える人がいたら、めちゃめちゃ目立つんですよ。
思ってることを言えない・言わない人の方が多いので。
回避依存傾向の人が
思ってるより多い理由その2。
続いての理由は、大体の人がアダルトチルドレンだからです。
アダルトチルドレンは、親が未熟だったり親の役割を果たしていなかったりして、子どもなのに無理やり大人にならないといけなかったことから、そう呼ばれています。
簡単に言うと、「ガキでいたかったのに、いさせてもらえないまま大人になった人」ということです。
アダルトチルドレンは、機能不全家族(家族としての本来の役割や機能が果たされていないこと)から生まれると言いますが、別にこれは、いわゆる“毒親”に限定された話ではありません。
兄弟や姉妹の中にすこぶる相性が悪い人間がいたり、両親が共働きで忙しすぎたりなどの理由でも、機能不全家族になることはあまりにもよくあります。
たとえば、母親がシングルマザーですごく溺愛してくれているけれど、子どもを育てるために、かなり苦労をしていたというケースがあるとします。
大概の子どもは、お母さん大好きっ子に育つのですが、苦労している母親の姿を見て「私がわがまま言って困らせてはいけない」と考え、感情を抑圧することもあるんですよ。
ほかにも、長女や長男という立場で育ち、我慢することが多かったという人も、感情を抑圧する傾向にあります。
たとえばこの場合、「お姉ちゃん(お兄ちゃん)なんだから我慢しなさい!」という怒り方をずっとされたら、抑圧癖がついてしまうんですよね。
このように、感情が抑圧されるようになるきっかけは、“親が毒じゃない環境”によっても起こりやすいんですよね。
回避依存傾向の人が
思ってるより多い理由その3。
最後、3つ目の理由は「大事なことをしつけていない親が多い」ということです。
大事なこととは何かと言うと、次のようになります。
挙げればキリがないのでこの辺にしておきますが、残念ながら子を持つほとんどの親が、今お話した大事なことを子どもに教えていません。
なぜなら、親自体が大事なことを理解してない上に、そもそもできていないということがあまりにもよくあるからです。
勘違いしないでいただきたいのは、「だから親がダメなんだよ」という話をしてるのではありません。
その親自体も、子どものときに大事なことを教えられていないまま、大人になってしまったからです。
というか上記の項目って、学校教育でも教えてくれないことが多いし、もし教えても「なんでですか?」と生徒に聞かれて、ちゃんと答えられない教師が多いんですよね。
つまり、先生自体も自分の親に教えられていないのです。
だからほとんどの人は、社会に出てから上記に挙げた大事なことを、一から学ばないといけないことがよくあるんですよ。
言うまでもなく、大事なことをちゃんと教えてくれた親に恵まれた人は、ものすごく運が良いと思います。
心的距離が近づくと
戸惑う日本人。
以上の理由が、僕が回避依存について言及しない理由になります。
基本的に日本人の多くが、精神的な距離が近づきすぎると、戸惑うこともよくあるんですよ。
なぜかと言うと、家族でも心の深い領域まで踏み込まれたことがないから、初めての経験すぎて驚いてしまうからです。
そして、精神的な距離を縮められる人はほとんどいません。
精神的な距離を縮められる人とは、
・思ってないことを言わない
・本音でぶつかってくる
・耳が痛いことを言ってくる
・自己主張がちゃんとできる
・ダメなことはダメとはっきり言う
など、多くの日本人ができないことをできる人のことを指します。
なので、こういった人物が周りにいるとあまりにも特殊すぎて、ときには敬遠されることもあるんですよね。
でも中には、「こんなに正直で真っ直ぐな人はほかにいない」と思って、ものすごく支持してくれる人もいます。
つまり、精神的な距離を縮められる人がほとんどいないこともあって、必然的に回避依存傾向がある人の方が多くなってしまうんですよね。
恋愛以外でも、親密な関係の築き方が分からない者同士がくっつくことが多いので、表面上の親しさで終わってしまうことが多くなってしまいがちです。
回避依存のよくある特徴は
回避依存症者だけに限らない。
そして、人間の習性的に、面倒なことやしんどいことは避けて通ろうとします。
つまり、回避依存の特徴にある「トラブルが起きそうになると無視や逃避で対処することが多い」というのは、回避依存症者に限った話ではないんですよね。
とくにこの傾向は、ほとんどの日本人男性に当てはまります。
それから、これもよくある問題なのですが、自分を回避依存症だと思い込めば、上手くいかない理由を回避依存や親のせいにできるので、ある意味楽なんですよ。
「私(俺)がこんな風になったのは親のせいだ!」って思うことができまるからです。
とまあ、こんな感じで、僕が回避依存について言及しない理由についていろいろ述べてきましたが、簡単に言えば
「都合よく回避依存を使ってんじゃねえよ」
「アンタ自身も回避依存じゃねえか」
ということです。
もし、好きな相手が回避依存だったとしても、こちらではどうにもできないし、そのことで悩んでいる女性自身の方が回避依存であることも多いので、まずは自分のことをちゃんとしましょうということですね。
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