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ジョインの波

私が勤めているのは、そこそこ古い業界のそこそこ古い会社だ。
よって社員の平均年齢もそこそこ高い。

そんな会社で、最近気になっていることがある。

同じ部署の人が、中途社員が入ってくることを「ジョイン」と言うようになったのだ。

おいおいおい。ちょっとまて。いつからそんな会社になったのだ。

そこらへんに紙の資料が積みあがっていて、たたき上げの人脈がものをいい、経営陣はリモートワークを快く思っていない、そんな会社じゃなかったのか。

たしかに今いる部署は会社の中でも新しい方で、ノートパソコン一台で仕事をするような環境にはなっている。そして人員補充中のため、途中から異動あるいは入社してくる人も多い。

だから「ジョイン」という言葉が活躍しやすい環境ではある。

おもしろいのは、「ジョイン」を使うのが別の会社から来た中途社員ではなく、生え抜きの社員が使う点だ。

今一度確認しておくが、会社に「ジョイン」を使う文化はない。そんな会社で育った人が「ジョイン」を使い始めるのはどんな気持ちなのだろうと想像して、ちょっとニヤッとする。

今までそんなキャラじゃなかったけど、勇気を出してサングラスかけ始めたみたいな気恥ずかしさはあるのだろうか。

しかし人がジョインジョイン言うのを聞いてるうちに、私もジョインと言いたくなってくる。横文字というものは慣れてしまえば大変便利な代物である。

加入?参加?新しく来た?

横文字に慣れると該当する日本語に違和感を覚えるようになってしまう。

しかし私には横文字を使うのに気恥ずかしさがある。ジョインの波に乗りきれていない。もはやジョインを使わないことにちょっと意地になっている。

無駄な意地だ。

もし私が今後ジョインと言うのを見かけたら、吹っ切ったんだなと思ってほしい。

(どみの)

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はもん
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