学生の頃は大人がみんなまともに見えたよね
っていう話をこの前友達としていた。
学生の自分から見た大人は全員ちゃんとした人に見えたものだから、進学校に通っていた時ですらクラスに数人はいた「ルールを守らない人たち」はいったいどこにいったのだろうとずっと不思議に思っていた。
大学生のときも、自分が「世代の底」であるという感覚がずっとあった。自分より年上の人は経験があるから自分よりすぐれていて、自分より若い人は新しいことを知っていて可能性だって大きいからやっぱり自分よりすぐれている。みたいなことを割とガチで思っていた。
だから、自分にできる仕事なんてないんじゃないか、世の中の役に立てることなんてこれっぽっちもないのではないかなんて思って、学生時代の私は一足早く社会に出ていた友人(冒頭の人物)に相談したのであった。
「そうでもないよ~」
と営業をやってる友人は言った。そうかなあ、そうでもないのは頭ではわかるんだけどやっぱりまともに見えるんだよなー、そうなのかなあ、というのが私の当時の感想だった。
実際に働いてみると、確かにいろんな人がいるというのはわかるようになってきた。
自分にできることなんてないんじゃないかと思っていた身からすると、いろんな人がいて、課題も多い組織というのは救いになることもある。自分が課題にきづける=貢献できる部分がある、ということだからだ。
学生の頃美容室で読んだ雑誌に、タレントのYouがお悩み相談を受けるコーナーがあって、そこに「会社に仕事ができない人がいます」という相談が載っていた。それに対してYouは「できる人もできない人もいるのが組織なんだから当たり前です」みたいな回答をしていて、組織っていいなあと思ったのをよく覚えている。
(雑誌の相談が良かったので後日本を読んだ)
さすがに自分より給料をもらっているのに自分より仕事をしていない人を見て救いになるなあなんて今では思えなくなってしまったが、できる人もできない人もいるのが組織で、それを自分は気に入っている。
他社の人を見ると全員すごそうに見えるので、「自分以外皆まとも」の呪いは完全には解けていないのだが、以前よりは心穏やかに自分のポジションを受け入れられている。
自己実現させたい!だとか社会の役に立ちたい!なんて気持ちは一切ないけれど、組織で必要とされる人間でありたいなあとは思う。
こんな感じの振り返りをもって、就活生へのエールに代えたい。
組織の懐は結構広いぞ。
(どみの)