バーキーと呼ばれた私 ~11.新婚生活〜
高校一年の三学期を迎えた頃、カオリは妊娠した。テレクラでは生でさせた事がなく、ちょうどその頃はノリオとしか生でセックスしてない。お腹の子の父親は恐らくノリオだ。確証はないがほぼノリオで間違いないだろう。しかしカオリは堕すつもりでいた。
カオリはまだ16歳。まだまだ遊びたい盛りだ。しかし16歳という年齢は法的には結婚できるものの、成人はしてない。堕すには親の同意が必要だ。親には言いたくない。親の同意なしで中絶してくれる先生がいると聞いた。中絶費用は三十万。カオリは産むことを決意した。
『ゴメンね、妊娠したの』
ノリオは暗い顔をした。まだ18歳になったばかりの少年には重荷だ。しかし三日後には父親になる決意をしてくれた。元々高校には行っておらず働いていたため、仕事の心配はなかった。
次にカオリは家族に妊娠の話をした。両親はひどく呆れ、激怒した。相手も18とまだ若いが既に世に出て働いてると聞き、それで少し安心したのか両親は産む事を賛成してくれた。その代わり、一切自分達を頼るなと言われた。
とんとん拍子で両家への挨拶を済ませると、カオリ達は籍を入れてノリオの実家に住み始めた。ノリオの実家は持ち家で、住むには充分だったが、義母はカオリに対して常に無愛想で親切でなかった。でも義父とノリオな優しかったため、それほどストレスはなく住み心地も悪くはなかった。
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夏が終わり秋の気配を感じ涼しくなり始めた頃、その子は産まれた。しっかりした女の子だった。二時間ほどの陣痛だったが出産の痛みは死ぬほど辛いもの。カオリはもう生中出しはしませんと神に誓った。子供の名前は当時の大スターで中高生のカリスマ、浜崎あゆみの名前をとって、"歩華(あゆか)"と名付けた。
歩華は狂おしいほど可愛く、カオリの荒んだ心を癒してくれた。しかし、それに比例して子育ては気が狂うほど大変だった。義母もちろんは子育てに非協力的、義父も優しいではあるが役立たずだ だった。ノリオは、手間が良いからと鉄筋屋で働き始めてから毎日仕事の帰りが遅く、育児は全く手伝わなかった。カオリは孤独の中、一人で子育てをした。17歳のカオリには過酷だった。その頃からノリオとは口論が尽きなかった。
『なんで、これくらいもやってくれないの!』
「仕事で疲れてんだよ!」
ノリオは段々怒鳴るようになってきた。あんなに優しかったのに、足になってくれたのに、ノリオは変わった。子育ては手伝わないが、相変わらず体だけは求めてきた。営みを断ると尺八しろと命令する。立場が完全に逆転した。
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気が付けば歩華は1歳になっあ。掴みながらではあるが歩けるようになった。カオリは我が子の成長の余韻に浸っていた。ちょうどその頃、G中の友達が次々と出産した。アンナも、番長だったリエも出産した。会いにいけない代わり、電話で沢山話した。しかし、義母に電話が長いと注意されたため、電話は泣く泣く諦めた。
相変わらずノリオは子育てを手伝わない。友達とは電話できない。孤独。ストレス。カオリは極限の精神状態だった。そんな中、事件が起きた。カオリは新婚奥様を狙った悪徳セールスマン達の鴨にされた。
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