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バーキーと呼ばれた私 ~19.お前に何がわかる~
ヨウスケには家を出た事を言ってない。いや、言えなかった。言ったら怒られるに違いない。どこへ行こうか何も考えてないカオリは、とりあえずコンビニで缶ビールを買い、車の中で飲み干した。気がついたら3本目に突入し、気分が良くなったカオリはうっかりヨウスケに電話してしまった。
『何やってるの〜?今日は夜出れるからそっちきていい〜?』
ヨウスケは酔ってる事に気づかず、快くOKした。カオリは飲酒運転でそのままヨウスケの家に向かった。
「ちょっと〜、酔っ払ってるじゃん!大丈夫?」
『だいじょーぶっ!だって逢いたかったんだもん!』
そう言ってカオリはしゃぶりつくようにキスをした。ヨウスケの全てを吸い尽くす勢いで襲いかかり、そのまま事をいたした。戯れが終わると『今日はお泊まりOKもらったから』と嘘をつき、そのままヨウスケの腕の中で寝息を立てた。
朝起きたら、カオリは家に帰ったフリをしてパチンコ屋で時間を潰した。そして『今日も泊まれる』と嘘をつき、再びヨウスケの家に向かう。溜まってた鬱憤を晴らすかのように、カオリは自由な生活を続けた。
──────────
そんな生活を続けて四日目。いつものようにヨウスケが家から帰ってくると、物凄く怖い顔をしていた。
「おい」
『え?何?どうしたの?』
「お前、家に帰ってないんだろ」
どうやら母がヨウスケに電話したらしい。ヨウスケは鬼の形相でブチ切れた。
「嘘ついたな!何家出してんの!お前な!今まで散々迷惑かけた分、これからは信用を稼がないといけないだろ!なのに何やってんだお前は!子供第一つったろ!このままだとカオリと付き合えないよ!」
そう言われたカオリは、たまらず言い返した。
『ウルサイ!アンタに私の何が分かるの!子ども育てた事ないのに偉そうな口叩かないでよ!』
カオリはブチ切れた。
お前はアイドルか?
綺麗事ばかり言いやがって。
あんなにフェラで悶えておきながら
あんなに激しく人の身体を
むさぼっておきながら
綺麗事ぬかすんじゃねぇよ!
お前子ども育てたことあんのか!
お前に何がわかるんだよ!
カオリは溜まりに溜まったストレスが爆発し、汚い言葉でヨウスケを罵(ののし)った。口論は夜中まで続き、その後二人黙ったまま朝を迎えた。
「とりあえず今日は帰れよ」
『いや』
「帰れっつってんだろ!」
帰りたくなかったが、あまりにも鬼の形相で怒り続けるヨウスケが少し怖くなった。普段はあんなに優しいのに。あんなに甘えんぼさんなのに。カオリは泣く泣く家に帰る事となった。家に帰ると母がしてやったりな顔してていたため、カオリは無視してすぐに布団の中に入った。
カオリは家や仕事をほったらかして男の家に入り浸る事は慣れている。しかし、今回の家出はいつもの様にいかなかった。度重なる長期休暇が原因で、カオリはとうとう弁当屋をクビになってしまった。職を失ったカオリは、再び風俗で働くことになる。
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