馬花 112 ごはん 12年1組
さあ、ご飯食べましょう
「こうしてると家族みたいだね、ねぇルチカ」
「うん、アユラ」
「たまにはいいわね、大勢でご飯食べるのも」
「うまそうだな」
はい、おでんらーめん
「ねぇ、ハミルENってこれから人増えるかな、ルチカ」
「どうだろう、お母さん」
「どうかしら、想いを一つにしてくれる人がいたらね」
「来るもの拒まず去るもの追わずだ」
「ふーん、抜けた人っているの、ルチカ」
「僕は分からないよ、お母さん」
「1人だけね、今までに」
「お前が抜けさせたようなモンだろ、ルルサ」
「なんでそうなるのよ。仕方なかった、あの人」
・・・・
「逃げてきたんだ」
「逃げてきた?」
「そうだ」
「どこから?」
「ハミルENだ」
「なんだそれ?」
「イかれた連中だ」
「ふーん」
「金で家族を築く、婚姻制度の否定」
「人間も大変だな」
「あゝ、ウンザリだ」
「だからこんな山奥に来たのか」
「そうだ」
「寂しくないのか」
「寂しくない」
「そうなのか」
「人間嫌いだ」
「俺と一緒だな」
「おまえもか、ハミル」
「あゝ、俺は熊嫌いだ」
飯できたぞ
おでんらーめんだ