ホストH ①-④
ホストH ①
博愛の騎士スミカ
短髪のユウマ
無愛のクウハ
サングラスのニャン
パシリのロック
オーナーのマサナ
💰💸💵💴💲💷
REVOLUTION
⭐️☀️🌘⛰️🏞️🌊
#スミカ
#ユウマ
#クウハ
#ニャン
#ロック
#マサナ
#ホストH
ホストH ②
陽光が落ちていく
「ざけんな!飛んだだと
絶対探し出せ!
150万だぞ
ロック、お前行ってこい!」
「えっ、お、俺ですか?」
「当たり前だろ!
売上もねえんだから、
客なんか一人もついてねぇだろ」
黙るパシリのロック
「顔、わかんだろ。
とりあえず引っ張ってこい。
俺が話すからよ。
どうせ栄近辺、彷徨いてるはずだからよ。」
「は、はい。
分かりました」
ロックは、無愛のクウマに逆らうことはできず、苦い顔で扉を開き錦の夕暮れに消えて行った。
「おいおい、クウハ
どうすんだよ」
短髪のユウマは、スクワットしながら聞いた
「あー、あのアマ、クソ
回収できなかったら、宅かフロ浸からせるしかねぇだろ」
ユウマのスクワットの速度が上がった
「当然だろ」
・・・・
クウハは店内のある絵を遠目に見つめた
「ベロニカなんかクソ喰らえだ」
「なんか言ったか?ヴェロニカ?」
無愛と短髪が言葉を交わす。
無愛が
「女の操の象徴だ
キリストの汗を拭いて慰めた女
ゴルゴダの丘に向かう時の話だよ」
「あん、なんだそれ
チョコレートみてぇだな」
短髪は、スクワットを終え
壁相手に腕立てを始めた
「で、なんだヴェロニカ?
ミサオがなんだって」
「もういいよ、筋トレに集中しろ」
「教えてくれ、よ、頼むよ、クウちゃん」
ユウマとクウハは店の上位で切磋琢磨
よきライバル関係、仲間だ
「ちっ、
女の貞操を準える女だ
あー、旦那がいるのに他の男には抱かれてはいけねぇとか、
好きな男以外には抱かれてはいけねぇ、
遊びでSEXしちゃいけねぇとか」
「ふーん、俺たちが立ち入っちゃいけねぇ領域だな」
「ああ」
「なんで、クウちゃん、そんなの」
「いいだろ、別に」
「気味わりい」
「うるせーな、ただ」
「ただ?」
「キリストはどんな気持ちだった?」
「へっ?何言っちゃってんの?
クウちゃん、どうしちゃったの」
「ゴルゴダの丘に向かう足はしっかり大地を踏みしめていたのか、汗を拭いたベロニカにしっかり礼は言えたか、声は震えていなかったか」
「クウハ・・・
あっそうそう、クウちゃん」
「なんだよ、ちゃんと聞いてたか?」
「こないだ行った病院でさ、花粉症の薬もらおうと思ってさ。したらさ、俺、走って行ったわけ、トレーニングね」
「病院行くのに、走るな」
「したらさ、看護婦ちゃん、若い子、俺の汗拭いてくれたわけ、なんだっけサロコとかって名札に書いてあったな」
「・・・そんな看護師いるのか」
「うん、俺も驚いちゃってさ・・・
ちょっと好きになっちゃった、よ」
「・・・」
「あの子、ヴェロニカだったのかな・・」
ユウマとクウハは1時間ほど雑談していたか。
入り口のドアが開いた。
「ロックか?」
短髪が反応した
無愛の
背筋が飛び跳ねた
「おはようございます!」
「おはようございます!」
短髪と無愛は共鳴した
オーナーのマサナだった
いつも通りの微笑を浮かべていた
#赤喉のスミカ
#短髪のユウマ
#無愛のクウハ
#サングラスのニャン
#パシリのロック
#マサナ
#ホストH
ホストH ③
羽柴は中国でもたついておる!
天下はこの明智光秀!!
"このまま"統一したり!!!
・・・
5年後の2029年
オーナーのマサナは自殺した
・・・
天下布武
稀代の戦国大名織田信長
その才能、軍略、好奇心は天才のそれであり
小国尾張から覇王へ、そして天下統一を成し遂げようとした
信長はある程度の覚悟はしていたという
殺られるだろう、誰かに
桶狭間、長篠、鉄砲
戦国の世でその才覚を如何なく発揮した
・
比叡山延暦寺焼討
女、児童含め3,000人
長島一向一揆
老若男女
降伏後も20,000人皆殺し
家臣 荒木村重 謀反
村重の一族、重臣処刑
重臣の妻子 100人超 磔
児童を抱えながら槍
端侍及び親族500人 家に閉じ込め焼討
村重は・逃げていた
狙撃手 杉谷善住坊 信長狙撃失敗
首だけを地上に出し、
わざと切れないノコギリで'通行人'に
首を斬らせる
日本の偉人、最上位の男
・
はっと自分を振り返った時、天下の大名将は既に本能寺的な未来を予感していた
・
・
オーナーのマサナは数多の女をドブに落としてきた
その数は数百人を優に超える
ある程度の覚悟はしていたという
・
パシリのロックはプレイヤーとして芽が出ず
皆からその名の通りの扱いを受けた
オーナーのマサナはロックを可愛がった
売上に貢献しない
店に利益をもたらさない男、ロック
だがしかし、寧ろ、ロックを重宝していた
組織を編成する時は、ミナの捌け口が必要だった
あらゆるストレスの処理場としてロックを可愛がった
ロックは視野の広い男だった
客の取れないロックはプレイヤーながら
内勤働きをしつつ店の細部に目をやった
視野の広い男だった
同時に
暗がりの世界から明かりの世界にその眼を向けていた
弁護士、会計士、警察官、行政書士、ファイナンシャルプランナー、ウェディングプランナー、税理士、花屋
女はダメだったが、男はその愛らしさで人脈を築いていた
なるべく、他のホスト達が関わりを持たないであろう相手と少しずつ、少しずつ関係を構築し始めた
2029年
ホストHは興隆を極めていた
同時にその行の善悪を問われていた
・・・
光秀は本能寺に攻め入る時には、明かりは、
それどころではなかったか
目の前の大命題に明かりなど目に入らない
秀吉を足止めする手段まではなかったか
毛利と通ずる手段はなかったか
・・・
明かりを味方につけていたロックは
オーナーのマサナを完全に包囲した
マサナ齢50であった
「人間五十年」
・・・・
みつひで
🗾
新しい代表にはパシリのロックが立った
🍶
とったよ
🇯🇵
明かり、を味方につけたロックに
文句の類を言えるものはなかった
つまり、羽柴は来ない
・
天下
ロックの下剋上は完全に為された
#マサナ
#ロック
#ホストH
ホストH ④
No.1は博愛の騎士スミカだ
その咽は赤色だ
大きく突起した咽喉
その喉仏は赫く、菱形をしていた
彼のノドが鳴らす声は中低音で、バリトンの響きにホールは震撼した。周波数が女を虜にした
スミカの仕事ぶりは静だった。囁くように話しをして、出来るだけコールなども敬遠した
客は裕福なマダムが多く、売掛金もなく清潔な仕事ぶりだった
・・・
博愛の騎士スミカはハミルENの傘にいた
月収600万円
ハミルENの成人40人に分割する
1人あたり15万
スミカは満足していた
ハミルENたる奇妙な屋根の下にいなければ、600万がそのまま自分の手元に入る。
39人に15万を施した
スミカはそれでよかった
両親が病で早世した彼の価値観はカネではなかった
金で繋がった摩訶不思議な家族
阿呆の着想ハミルEN
でもね
財布が家なんだよ
"今はね"みんなで同じ財布の中に住むんだ
ほら、こっちおいでよ
みんなで頑張れば、みんなで少しいい暮らしができるよ
貧しくなったってさ、みんな一緒だよ
悲しいけれどね、
"今はねおんなじお財布に住むしかないんだよ"
ほら、
チャックを占めてみんなでおやすみ
ここが住処だよ
・
博愛の騎士は稼ぎを分けれた
※博愛
広く愛すること
平等に愛すること
故に
博愛の騎士
・
カネで繋がる金の住処は、実は金の価値を弱めつつあった
スミカは確信していた
愛の住処お
#スミカ
#ホストH
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