馬花 147 オーナーはカネにイエはアイに 12年生2組
「ハミル。とりあえずまた2人で暮らせるな」
「・・・・うん」
「どうした。良かったじゃないか!また、森を散策して食材採って料理して酒飲んでさ!」
「ナオト」
「うん、どうした」
「俺は弱虫か?」
「・・アロヤに言われたこと気にしてるのか?」
「俺はトシミを傷つけた」
「仕方なかったんだろ・・」
「アイツは俺を攻撃することもできたはずなのに、やられる方を選んだ」
「なあ、ハミル忘れろよ。また2人でさ」
「俺は小便垂れクソ野郎だ!」
「やめろって、お前は優しい奴だ。俺は分かっ
「ヨワムシ!よわむし!俺はトシミのように強い男になりたい!」
「なんと!熊に逃げられたですと!ラララさんどういうことですか!」
「侵入者がありました。2人の男です。応戦しましたが、1人は完全に訓練された兵士のような男で、私では歯が立ちませんでした。もう1人は医者のようでした」
「みすみす逃すなんて有り得ません!この失態どう責任を取っていただきましょう!」
「申し訳ございません」
「キャプテン失格です!仕方ないのでルルル、これからはあなたがキャプテンです」
「私ですか・・ありがとうございます」
「なんか嫌ですね。ルルル、あなたは副キャプテンです。キャプテン不在です。ラララさんのキャプテン手当40,000円は来月からは付きませんので」
「はい、分かりました」
「あの監督すいません」
「何ですか、ルルル」
「副キャプテン手当はどうなりますか」
「そんなものある訳ないでしょ!・・いや、まあ、そうですね。いいでしょう15,000円です」
「そうですか。ありがとうございます」
「ふん。こちらの経営も色々と大変なのですから。しっかり仕事してください」
「はい」
「では私は商用がありますので、これで。それから宝探しの件どうなってますか。ラララさん」
「継続中です。まだ成果は得られていません」
「これからはそちらに集中してください。必ずありますから」
「はい、了解しました。監督」
「では、あゝそれから、本日から社名を変更しましたので、宜しくお願いします、では」
「まったく、困った部下ですね。さあ行きますか」
「いらっしゃいませ!」
「オーナー監督!」
「やあ、ハツトさん。様子を見に来ました」
「あはは、そうですか。ありがとうございます」
「どうですか経営の方は上手くいっていますか」
「ええ、順調です。No.1のヒノメは不動ですし、アオナやブラックがNo.2と3でお店を牽引しています。他にもスリムやネール。そうですね、マミアやメルメも頑張っています。元No.3のキラコと8のキイロで北海道の方へ新店舗を開店させましたが、2人の穴も感じさせません」
「そうですか、それは喜ばしいことですね」
「ええ、監督、本日はどうのような」
「ごほん、そうですね。ブラックさんはNo.3ですか?」
「はい、キラコの抜けた穴を充分に埋める活躍です」
「呼んでください」
「いや監督!勤務中ですので」
「あなたハツトさん。誰のおかげで本部長になれたと?」
「・・・・呼んで参ります」
「ええ」
「監督、お呼びでしょうか」
「行きましょう」
「・・はい」
カネで
買えぬ物などありません
コーンコーン
コーンコーン
チュリミ
お金をナラスってどういうことコーン
コーンスープみたいに優しくするコーン?
ふふ
ピエハ
そうね
平すっていうの
私たちはね
するとね
みんな一緒
年収やお給料に地位や名誉
そういったものが少しずつ少しずつ、
ピエハの言った通りコーンスープみたいに優しくなっていくわ
うーん
分けるとか分かち合うとかうん引き分けとか
AIとか
わかった
消しごむコーン!
ふふ
消しゴム?
勝ったら消すコーン
負けたら消してもらうコーンコーン
引き分けになるまでコーンコーンコーン
あはは
ピエハそうね
えらいわ
でも全部消さなくていいわ
勝ったり負けたりして優しい人間のなり方を覚えていく
記録だから残したり消したり加えたり
相変わらず失敗して相変わらず馬鹿だなぁって
うん
頑張って無理してでも馬鹿になってみる
だから
お金が何よりも強大な権威の世界
私たちの住んでた、
うん、そうだね
見たことのない世界を描いてみる
お金が笑う世界
可能なの?
不可能ね、きっと
だから鉛筆があるの
そうか
試し書きを繰り返して、繰り返して
そのうち
間違えて、後悔して、
大丈夫だよ、チュリミ
お金が愛に変わる瞬間を見届ける
お金の受け渡しが愛と呼ばれるSTORYを描く
限られた生の内で
ピエハ?
あれ違う、あなた誰?
俺だよ
あゝ、いつのまに
子供のチャリル
お前だって
あれ?
子供に戻っちゃった
また独りぼっち?
俺がいる
大丈夫大丈夫
私がいる
盾になって見せるから