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ASIBA2期を終えて

こんにちは!はみラボ代表の臼井です。
私たち、はみラボは一般社団法人ASIBAの主催するインキュベーションプログラムに参加していました!今回はその振り返りnoteになります。
インキュベーションプログラムは4月からの3か月間で行われ、自分たちのもつ思想や未来へのビジョンを思想のままで終わらすのではなく、実際に社会に実装し、届けることを目指しています!詳しい内容は下部のリンクより、チェックして下さい。

私たちはそのプログラムの2期にAISBA2期生として参加させていただきました。拙い文章ではありますが、その3か月間で考えていたことや反省をつづってみました。一読いただけると幸いです。
なお、所々、固有名詞が出てきますが、1人1人に対して深くは言及していないので、どんな人かなと想像しながら読んでほしいです。


1章:出会い

4月の第1週目、ASIBAのインキュベーションプログラムがはじまった。東建さんとのワークショップから始まり、日本橋エリアをさらに活気づけるためにどうすればいいのかと案を巡らせた。しかし、進めていく中で、それが誰のためにあって、誰が利益を得るのかという現実的な問いを突きつけられた。今までの設計課題では考えることもなかった、現実世界でするという障壁であった。あのときは、ふわっと現実でやるのってアイデアだけじゃダメなんやなって思っていたが、今思えばあれもこれから始まるプロジェクトでこういう視点からも考えないといけないんだよという思し召しだったのかもしれない。そのことに気づいていたようで気づいていなかった。後半は顔合わせ兼自分のプロジェクトのアイデア共有があった。その終了後、宿題として、ヒアリング5件以上というミッションが与えられた。他者からの視点を得ることや現状を知ることを目標として、とりあえず関係ありそうな企業や関係者にお話を聞きに行った。でも、それはヒアリングをしにいくというミッションを達成するために行っていた節があった。本当は自分が初めに掲げていたことに対して、他者からみたときにどこに価値があるのか、どこが仮説としてあり、明らかでないのかをまとめたうえで、それを検証するためのヒアリングであるはずだった。だが、そこを理解しきれていなかった。プロジェクトを始める前段階としてのヒアリングの位置づけをまず、問いとして設定し、自分の答えを用意するべきであった。

4月14日、始まって1週間後、メンバーが1人増えた。偶然だったのか必然だったのか分からないが、インキュベーションとは関係のない生成AIのワークショップにて出会った。名前はふっきーというらしい。(由来は未だ謎。)お互い考えていたことが同じで、その子も意欲的であったため、その日のうちに一緒にやることが決まった。その子は別の友達とゆるやかに活動をしていたらしく、その友達も含めて3人で進めていこうかという話になった。その友達は福井に住んでいた。

まずは各々のすり合わせから始めた。それは各々のバックグラウンドや今、していることを共有すると同時に、事業、プロジェクトを始めるにあたってのビジョンを設定するためであった。なぜそこから始めたのか、自分でもいまいちよくわかってなかったが、事業やプロジェクトと聞いて、まず、ホームページが浮かんだ。そのホームページを思い描いたときに、大体一番はじめに入ってくる情報がビジョンだという認識があったのかもしれない。そこで何をゴールとして目指すのか、どんな世界を望んでいるのかを決めることにした。各々が描いているビジョン、世界観をmiro上で綴り、発表しあった。そのとき、あるギャップに直面した。それは世界の見え方が違うのではないかということであった。
自然が〜とか、循環をして〜、他の生態系たちとも〜と同じようなことを掲げている一方で、何かところどころズレているように感じた。そこで、普段何気なく使っている言葉たち、たとえば自然、循環、共生などの意味、捉え方をそれぞれ書き起こして、発表し合った。それを踏まえて、根っこのところで何が共通しているか、何が違うのかを再確認した。この機会をプロジェクトの初期段階で設けられたことが非常に良かったと思う。それにより、ディスコードで各々が意見や考えを述べた際に、一方的な発信でなくて、それってどういう意味?自分はそこをこう思うんだけど、どう思う?と相互的な会話が抵抗なく自然にできた気がする。それは、相手の考えを深める以上に、自分の考えのもとになっている価値観を探す手助けになってくれた。だから、中間合宿に向けて、自分のフィロソフィーを探そうという宿題が出たときも、そこまで苦戦はしなかった。自分たちの内省をする中で、フィロソフィーに近いところまですでに辿り着いていた。もちろん、そのフィロソフィーとビジョンとで、揉めはしたけど。。そのビジョンははみラボ全体なのか、それともコンポスト事業としてのビジョンなのか、にわとりと卵のような形で、ぐるぐるしていた。

Miroでの言葉の意味の模索

同時期に、光葉さんというメンターさんとのメンタリングがあった。何を言われるんだろう、どんな方なんだろうと恐る恐るメンターさんの事務所に伺った。しかし、いざ顔を合わせると、優しそうなお姉さんで安心した。偶然だが、その事務所にもコンポストを置こうとしていたらしく、設置していいとのお話をもらえた。

メンタリングの様子

5月の半ばごろ、メンバーが1人抜けた。喧嘩したとかではなく、ただ距離的な問題であったり、したいことのすれ違いであった。福井で林業のインターンをしている子で、なんか森の妖精みたいな守護神みたいなイメージ。あるとき、その子が人間でも動物でも虫でも植物でも菌でも、「今日は暑いね〜」と話せる人間でありたい。と呟いていて、そこにめっちゃ共感した。自分はなんでも擬人化して、話しかけちゃう癖がある。雨が降っていたら、「なんでそんなに泣いてるの、なんか悲しいことあったん?」って話してみたり、電子レンジの調子が悪かったら、「働きすぎたんか、そういう日もあるよね」と寄り添ってみたり、家に虫が入ってきたら、「どっから来たん」と聞いてみたり、別に返答があるわけでないけれど、気づけば言葉を発している。みんなが猫に話しかけたり、赤ちゃんに話しかけたりするのと同じだと思っているけど、そうではないらしい。でも、それが自分の行動原理になっている気がする。人間とその他に明確な境界を引いているわけではなく、あくまで対等な関係として捉えようとしている。だからこそ、環境問題解決のためのコンポストという見方にはさほど興味がない。むしろ、コンポストとお友達になってほしいし、コンポストの中に住むみみずやダンゴムシ、もはや土とまでも仲良くなってほしい。なんかコンポストはドラえもんみたいなイメージだ。人間が作り出すプロダクトではあるけど、それは単なる道具ではなくて、愛されるものでありたい。そう願ってるし、そういうものを生み出したい。

2章:手探り

中間合宿が近づくにあたって、二瓶さん(ASIBA代表)より中間合宿では全員ピッチするからねって言われた。ピッチってなんやねんって感じだったが、それは短時間で相手に決断させるプレゼンだと知った。そう言われた週に光葉さんの事務所に集まり、ピッチ練習をした。各々でスライドを作って共有したのだが、やはりアプローチの仕方がまったく違ってめちゃ興味深かった。でも、どちらも心に届くものではなかった。初めてピッチ資料を作り、何が正解か分からないまま進んでいたが、その過程は何かワクワクしていた。自分がそのとき参考にしていた動画を彼女に見せた。それは、TEDに上がっているサイモンシネックさんの「優れたリーダーはどのように行動を促すのか。」という動画である。これは高校の時の部活の顧問が教えてくれた動画で、購買行動や活動を促すためには如何に伝えればいいのかをモデル化し、伝えてくれている。Appleがどのように人の購買を促しているのか、キング牧師がなぜ人々を率いることが出来たのか、優れたリーダーに共通する伝え方を知ることができ、参考にしていた。すると、ふっきーがある本を鞄から取り出し見せてくれた。それは”Pitch 世界を変える提案メソッド”という本であった。その本はデジタルガレージという会社のスタートアップ育成プログラムから生まれた提案のメソッドをまとめた本であった。6章で構成されていて、1,2章はピッチの説明、良い事例の紹介、3,4章は提案のアイデアを具体化していく方法、ピッチの組み立て方、5,6章は卒業生インタビュー、まとめであった。そのときなぜか2章までで読むのを辞めてしまったのだが、それが一つの後悔であった。

     ↓↓ ”優れたリーダーはどのように行動を促すのか”

3章:中間合宿

折り返しの中間合宿がきた。全員のフィロソフィーの共有から始まり、一人一人立って、フィロソフィーと今日の目標を話した。なんだか小学生に戻ったような感覚であった。たぶんきらりさん(中間合宿の総指令官?笑)が求めてることってこれじゃないんだろうな、もう一つ二つ下のレイヤーにあることなんだろうなと漠然と想像しながら、聞いていた。その後、森林でのフィールドワーク兼ワークショップになるのだが、きらりさんはそれらを取り組むにあたって、自分の色眼鏡で見ることを念押しに伝えてくれた。(色眼鏡って表現、何か好き。)運営側にいたのもあって、言いたいことは理解していたつもりであったし、フィールドワーク中も自分たちがビジョンとして掲げていた、「埋もれた価値を届けて、価値を転換させる」という色眼鏡をかけて行動していた。しかし、なかなか難しかった。ビジョンやフィロソフィーは抽象的なものであるため、そこに森林、林業というフィルターをつけてあげて、実世界へと具象化していく必要がある。ただ、フィールドワークで初めて触れる林業と自分が行っているプロジェクト、どちらも付け焼刃の解像度であったため、どちらにすがることも出来ず、グループでの話し合いもそこでとまってしまった。抽象度を上げた分、課題発見はすんなりできたが、じゃあ、これをどう料理しましょうか、という具体のステップがなかなか進まなかった。片手間でできるような料理しかできなかったし、一期生の馬場さんに言われるまで誰でもできる料理であることに気付けなかったことも悔しかった。次の日になんやかんや発想を飛ばして形にはできたものの、あの場でそれいいね、一緒にやろうと言われなかったことがその案の強度のたりなさ、実現性の低さを物語っていた。

林業のフィールドワークの様子

4章:実践

中間合宿が終わってからは、阿佐ヶ谷の光葉さんの事務所に張り付く日々であった。コンポストを設置するにあたって、場所の調査をするために、朝7時半から張り込みをしたり、インタビューをした。その情報をもとに、子どもたちが興味を持つようなコンポストを設計できないかと考え、設計を行った。実施設計などしたことがなかったが、経験のある光葉さんや半田さん(ASIBA2期生)に意見をもらったり、運搬を手伝ってもらったりしながら、何とか完成させた。部材を運ぶのも、防腐剤を部材に塗るのも、施工するのも、設置するのも、すべて誰かに助けてもらった。自分が設計したものではあるが、その完成にはいろんな人の手が入っており、すごい思い入れのあるコンポストになった。

デザインしたコンポスト

そのコンポストを用いて、実際に阿佐ヶ谷でWSを行った。子どもたちにコンポストにふれてもらうこと、これから一緒に運用してもらうことを目標に、紙芝居でコンポストのことを伝えたり、コンポストを体験してもらい、コンポストの基材を一緒に作り、仕上げ材を塗った。ただコンポストを提供するのではなく、一緒に形作っていく。子どもたちの日常に、経験にしなやかに組み込むことを心掛けた。コンポストは生ごみを堆肥にする道具ではあるが、それは土に触れる機会であり、五感を刺激する装置であり、予測不能な出会いを生み出す場でもある。それが伝えたいことであり、自分の目指すあり方である。それが潜在的にでも伝わってると嬉しい。

コンポストWSの様子

5章:伝え方の模索

最終ピッチが近づき、ピッチ資料を作成するフェーズに入った。まず、はじめに私はあの本を開いた。中間合宿の前に2章までで読むのをやめてしまったあの本である。何から始めるか、その指標が欲しかった私はその本の4章のピッチの作り方を読んだ。そこには、“8つの指標とそれをそれぞれ1文で表しなさい。そのあと、その1文を組み合わせて文章にし、繋がらないところを肉付けしていきなさい”と記載してあった。書かれていた通り、それぞれの指標を1文で埋めていこうとしたが、それすら出来なかった。5つはうまったが、残りの3つを埋めることができなかった。なんとか埋めようとしたものの、やはり難しかった。その3つは、”誰””課題”で、”何を解決しえるのか”であった。まさに最初のASIBAの集まりで行ったWSで議題として出されたものであり、それ以降も深く考えていなかったところであった。この本をあの時、最後まで読んでいれば、何か違ったのかもしれないと頭の中をよぎった。

自分のみで悩んでても仕方がないと思い、ピッチ資料を作ってひたすら聞いてもらうことにした。まず、コラボ展示を一緒にしようとしていた北林さん(ASIBA2期生)に軸組みを聞いてもらって、展望の修正、世界観の整理を行った。その後、二瓶さんにアドバイスをもらった。
次の日、仮のピッチ資料を作り、二瓶さん、川北くん(ASIBA2期生)に聞いてもらい、展望の抽象度が高すぎるなどの意見をもらった。その意見を元に、もう一度作り直し、今度はあきとくん(ASIBA2期生)に聞いてもらった。そのピッチの流れはあきとくんにはめちゃ受けた。褒めてもらえたことも嬉しかったが、率直にズバズバと意見を言ってもらい、伝えるためのビジュアライズのエッセンスを叩き込んでもらえたことが何より嬉しかった。
もらったエッセンスをもとに修正した後に、今度は森原さん(ASIBA理事)に聞いてもらった。すると、今度は全く刺さらなかった。論理構成はいいが、刺さらない、自分ごとのように思えない、とのことだった。それが自分たちが有耶無耶にしてきたものが明らかに顕在化した瞬間であった。このプロジェクトは誰のため?というところである。このプロジェクトをして、誰が泣いて喜ぶのかが突き詰めていなかった。逃げ続けていた。テーマが環境問題に通ずるものであったり、人間のためというか他の生態系と共に生きるためという考えがあったため、別に直接的に誰のためでもないやと目を逸らしていたのだ。ピッチの本を読んだときも有耶無耶にしてたことが森原さんにも見抜かれ、流石だなと思いつつも、やはりそこが足りないんだなって痛感した。だからといって、組めるわけではなかった。なんかもう迫りくる本番と追われるタスクで、俯瞰して見ることができなくなっていた。とりあえず、現状で行われている他の団体の取り組み、自分でとったアンケートをもとに、欠陥部分を仮説としてたて、そこにアプローチするとの見せ方をすることにした。

並行して進めていたボード展示の印刷を行うために、ふっきーに会い、そのときにこの経緯をすべて話した。誰のためにが突き詰めきれてないこと、見せ方がわからないこと、今の方向性など全て話した。御茶ノ水の橋の上で。そこで、議論をしているうちに方向性をガラッと変える案を思いついた。それは、ごみ問題やばいぞ、を全面に押し出す案であった。自分ごとに感じてもらうために、ごみ問題が危機迫っていることを全開にして伝える方針であった。その時は2人ともこれなら自分ごとに感じてもらえそうと思い、家に帰って、ストーリーラインを即座に組んだ。現在の状況などを織り交ぜながら、ストーリーを紡いでいった。なんかいい感じかもと思い、眠りについた。次の日の朝、もう一度その流れを振り返った。頭のすっきりした私は、これは違う、話したくないと感じた。伝えたいことではあるものの、この伝え方は自分たちの理念から外れてしまう気がした。コンポスト、生ごみ問題のインタフェースをデザインすることで、都市の人々の向き合い方や在り方を思考しようという取り組みであるため、危機迫っているからやるべきというような半強制的接触は望んでいないし、するべきでない。そのことに気づけたことは吉であったし、フィロソフィーやビジョンを前半で議論して固めておいたことの利を肌で感じた瞬間であった。

また振り出しに戻った自分は、たまたまその日、家にいた母親に相談をした。母親は教育系の仕事をしていたため、子どもの教育的手段としての在り方はどうだろうかという相談をした。SDGsの観点からはもちろんのこと、自然に触れる、土に触れるという体験を享受することは五感の刺激であったり、予期せぬものとの遭遇、対応力、観察力の育成につながる。都市にコンポストを挿入することで、小さな自然に触れる機会として展開する。その旨を伝えたものの、やはり強度として弱く、自分ごとに感じてもらうことは厳しかった。結局、2つ前の構成に戻ることにした。気づけば、手元には没になったピッチ資料が6つも転がっていた。ビジネスモデルが組めてない分、同じようにピッチをしても意味がないよなとメンバーと話していた。強度が曖昧である以上、個性を出していかないと記憶に残ってもらえないという考えのもと、自分が関西出身であったこともあり、関西弁でピッチをすることにした。

迎えた最終ピッチの前日リハーサルで、関西弁ピッチを行った。リハの後、二瓶さんに”もっと楽しく発表しないと。はみラボは全チームの中で一番楽しくあれ。芸人になれ。”と激励をいただいた。自分は感情を表にだすのが、苦手だ。人見知りで、心を開くまでの壁がとても厚い。この人には自分を出しても大丈夫だというボーダーを超えるまで、すごい時間がかかる。感情を出して楽しく表現するのも、自分には難しく、勇気のいることであった。でも、同時にあのピッチを成功させたい気持ちもあった。最終ピッチは自分のためではなく、今まで支えてくれた運営や他の2期生に対して、感謝を伝える場でもあると思っていたので、中途半端なピッチをすることは失礼だという認識があった。不特定多数に対して、自分を表現することが苦手で怖いという感情と、感謝を伝えられるような良いピッチをしたいという感情がせめぎあって、ギリ後者の感情が勝った。このままでは駄目だと全体で解散した後、軽トラの中でふっきーと2,3時間ほどピッチの全修正を行った。構成を変えるのではなく、伝え方を全部刷新した。関西弁で漫談型のピッチ原稿にしたのだ。正しいかどうかなどは捨て、あと半日で自分の持てる武器を装備させ、楽しく、興味を引くように伝えないといけないという課題の答えが漫談形式であった。漫談なんてしたこともなかったが、漫才は大好きで、愛はあった。いや、愛しかなかったから、愛だけで乗り切ろうとしていた。今まで見てきた漫才師たちのしゃべりや間を想像しながら、原稿を作り上げていった。白熱した議論と試行錯誤の結果、レンタカーの無断延長になってしまい、15000円の大出費を食らうことになった。15000円の価値がある2,3時間の議論だと言い聞かせたものの、やはり15000円は痛すぎた。報連相は大事です。守りましょう。皆さんも気をつけてください。

6章:本番

迎えた当日は朝の9時に集合だった。ピッチは13時過ぎからであったため、準備等を抜いて、3時間ほど時間があった。することはただひとつ、ピッチの練習であった。メンバーのふっきーに全部聞いてもらいながら、何度も何度も繰り返し、体に叩きこんでいった。自分のピッチ練習に文句の1つも言わず、最後まで付き合ってくれたふっきーには感謝しかない。自分のブース、空いている部屋で、1つ1つの原稿を何度も何度もブラッシュアップしていった。何度やっても不安で、その不安を押し返すために口に出していたという方が正しかったかもしれない。そして、迎えた本番、自分は第1グループの4番手、ラストであった。他の2期生が発表を順番にしていき、徐々に自分の番が近づいてきた。正直、自分のことで頭いっぱいで、同じグループだった2期生の発表は1mmも頭に入らなかった。迫ってくる出番に向けて、いけると言い聞かせるしかなかった。そして、ついに出番がまわってきた。結果は、まあ、及第点という感触であった。原稿もとんだし、観客の方でなくスライドを見てしまったし、緊張で間も不十分であった。だが、事前に一度聞いてもらったことのあった審査員の方から、"非常に良くなったというお言葉"をいただいたり、別の審査員の方から"コンポストしたくなったよ、興味がわいた"と言っていただけて、非常に嬉しかった。二瓶さんや森原さんにめっちゃ良かったと言われたことが何よりも嬉しかった。喜びというよりかは安堵に近かった。正規ルートではないピッチに全振りした分、不安でいっぱいで、これで正しいのかもわからず、でも戻るべき道もなくてがむしゃらに進んだことが間違ってなかったんだと胸をなでおろした。他の展示等もどうにか無事に終わり、閉幕した。悔やむところは多々あるが、人として1つも2つも成長できた3ヶ月であった。

ピッチの様子


はみだしもの研究所(はみらぼ)
mail: hamilab.official@gmail.com
Instagram: hami.lab
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