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万編筆ブランドの謎☆中国製造でもアメリカブランド?
ずっと疑問に思っていた。
中国でニブを生産して、中国で軸を成型し組み立てた万年筆をアメリカで売れば『アメリカブランドの万年筆』になるのだろうかと
そんなブランドどこにでもあるよって言われればそれまでなんですが。
日本の洋服ブランドは殆どが、生地から縫製まで中国で作ってるし。
ここでは万年筆に限って話を進めたい。
例えば、パイロット。一部の部品は中国で生産しているが組み立てなどは国内で行っています。
プラチナ、セーラーも同様で万年筆の製造は国内工場で生産しています。
日本国内の工場で、部品を検品し、組み立て、一本一本検品し出荷されるこれらのペンはメイドインJAPAN 日本製の日本ブランドであることは間違い無い。
中屋万年筆はプラチナのペン先、軸は自社製なので日本ブランド
ペン先は海外製だが、軸を製造している大橋堂も日本ブランド
と称して良いかと。
怪しくなってくるのが海外ブランド
例1 ペリカン
ペリカンはドイツで創業し 経営が行き詰まってスイスの会社が買収、その後マレーシアの会社に譲渡されたが、2023年にフランスの企業に売却。
と経営権は世界中を移動しつつも、製造はドイツで行っている。
例2 ラミー
今年日本の三菱鉛筆が買収した。経営権の譲渡なので製造は現行通り。
例3 kaveco
創業はドイツ、1976年に廃業後、1994年にドイツの化粧品会社が、ブランド名を登録した。kavecoの名作kavecoスポーツをデザインそのまま復活させて製造再開。
ここまでは、復活や復刻、ブランドデザインの継承はしっかり行われている。
では、近年復活を遂げた アメリカブランド EsterBrook はどうだろうか?
EsterBrook とは
1858 年にアメリカで創業された万年筆ブランド。1971年廃業した後、2018年にブランド復活。
美しいレジン軸を特徴とする万年筆を売り場で見かけるようになる。
エスターブルック・ペン・カンパニーは、イギリス移民のリチャード・エスターブルックによって設立され、ニュージャージー州カムデンに拠点を置いていたアメリカの 製造会社です。同社は米国最大のペン製造会社であり、年間2億1600万本のペンを生産した記録を持っています。[ 5 ]同社はつけペンを製造し、その後、 1967年にヴィーナス・ペンシルズに買収されるまで万年筆に注力し、1971年に活動を停止しました。
私が万年筆沼につま先を浸しはじめた頃、
アメリカ製のヴィンテージ万年筆は上級者向けなので手を出さない方が良いという情報を目にすることがあった。
全体的に出来があまりよくないとの噂。
日本はプラチナ、セーラー、パイロットの名だたる万年筆大国。これらと比較してはいけないらしい。
レバーフィラー方式の万年筆も多く、経年によるパーツ故障が致命的で修理が絶望的。腕に覚えが無ければヴィンテージに手を出すなと言われる所以でもある。
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アメリカらしく、軸が華やかである。
故障は怖いけど、でも素敵!レガンスが手に入らなければ、お迎えしたい…と思っていた時期がありました。
トムとジェリーの古いアニメバージョンには、レバーフィラー万年筆が登場する回がある。
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古き良きアメリカメイドの万年筆として愛好家も多く、有志によるファンサイトがあるので、EsterBrookeの本来の姿を見て欲しい。
2014年 ハーペン・ブランド・ホールディングスがブランド名の『権利』を取得しEsterBrook が華麗に復活を遂げた。
このニュースにEsterBrookのファンは色めきだって、復活したペンを早速入手した。
そして、がっかりした。
ファンによる検証ページはこちら。
箱には中国製の文字。
往年のデザインとは似ても似つかぬ復刻と称した万年筆。
特徴的だったニブはドイツ製の量産型ニブに変わっているが、ドイツ品の断定はできない。中国内での製造の可能性が高い。デザイン、軸の太さも違う。
いったい製造はどこで行っているのか、アメリカで作られているのかの問い合わせには返事がなかった。
その後EsterBrookは2018年ケンロ・インダストリーズが命名権を買収。現在も続々と高級限定万年筆を発表し、販売を続けている。
この会社、サイトを見る限り高級筆記具小売店である。
自社の万年筆の製造工場はない。
当社は、カスタマイズ商品の開発における連絡役として独自の資格を有しています。当社は、ブランドやお客様との密接で個人的な関係を誇りに思っています。当社は、お客様のあらゆるご要望にぴったり合う製品を見つけることに全力を尽くします。
2000 年に設立された当社のクリエイティブ部門は、当社のビジネスの中核を担っています。トレンドを追ってパーソナライズされた提案を行い、販促品や企業向けギフトの ROI を確保しています。私たちは、受け取ったすべての人に忘れられない印象を残すアイテムを創り出すことに情熱を注いでいます。フォーチュン 500 のクライアントから小規模な専門クライアントまで、私たちは各クライアントのビジネスの目的と要求に応えることに全力を尽くしています。
2018 年、当社はこれまでで最も重要な取り組みの 1 つを行いました。当社は、その豊かな歴史を未来に引き継ぐことを目標に、名高い Esterbrook ブランドを買収しました。これまでに、Esterbrook の新しいモデルを 2 つ導入し、色、ペン先、サイズを幅広く取り揃えています。当社は Esterbrook ブランドに大きな計画を持っており、その管理者であることを光栄に思っています。
中国でニブを生産して、中国で軸を成型し組み立て、アメリカに輸出した『アメリカブランドの万年筆』の可能性が否定できない。
だからなんだ。
軸が素晴らしければ良いじゃないか。という話なんですけどね。
でも、ファンの悲しみは深い。
追記
EsterBrooke 限定万年筆 マウイ
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伊東屋でEsterBrookeのマウイを見かけて、これは好きだと思った時の既視感よ。あれ?待てよどこかで見た覚えが
レオナルド 限定万年筆のこれ!
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レオナルドよお前もか…となってしまった。
どうなのかなぁ。
まぁ、美しければいいのよ、美しければ…