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ハワイ土産の『小麦粉』で海外旅行の想い出パンを再現してみた話

ハワイのお土産、何が良いかと聞かれたので『小麦粉の強力粉と全粒粉』と即答した。

『コムギコノキョウリキコトゼンリュウフン』料理をしない男子ィィーーには呪文のように聞こえたに違いない。

スーパーで売っている小麦粉は大まかに分けて2種類ある。
天ぷらなどの料理に使う一般的な粘りのすくないふんわりとした薄力粉と、
パンやピザに適したさらさらとした強力粉。この二つは原料となる小麦の種類が違う。
全粒粉は、小麦を皮ごとすりつぶした、米で例えるなら玄米みたいなもの。栄養価は高いが味にクセがある。

これはわかりにくいだろうと商品の写真をLINEで送った。
海外にいても、オンタイムで情報共有が出来る。良い時代である。

ハワイ長期滞在するならアメリカの大型スーパー、ホールフーズマーケットに一度は行くだろうなと思ってのチョイスである。

ホールフーズマーケットのお土産といえばエコバッグが定番だけど、あれはそれなりに高いので、気軽に買ってきてと言ってはいけない。円安のせいで値上がりしているし。

自分土産に買う、もしくは本命系のお土産だと私は思っている。

日用品である小麦粉なら値段もそれほど高く無いし、なんなら土産用に売っている洒落たパンケーキミックスの粉より安いから懐の負担にならないだろう。
とちょっとした気遣いのつもりだった。

これが大きな間違いであるということを自戒するために、noteに記録として残す。

日本のスーパーで売っている小麦粉は一袋1キロ。
最近は値上げで価格据え置き 700グラムで販売されている。

この時点で重い。普通に邪魔な物体である。
そしてアメリカは何もかもがデカい国だ。牛乳はガロン(3.785リットル)で売っているし、ドレッシングは1.18リットルの巨大ボトルが商品棚に並ぶ、ハインツのケチャップだって特大サイズだ。
そんな巨大サイズ国家アメリカで売っている小麦粉が普通サイズなわけがない。

一袋 5ポンド 2.27キロ。

アメリカの『強力粉』と『全粒粉』がいいなぁって気軽に頼んでしまった私、気遣いのしどころを間違えている。

お土産に5キロ近い小麦粉。

海外旅行者にはた迷惑なくっそ重いお土産セットの完成だ。

最悪である。気遣いの方向が明後日に向きすぎていた…

ごめんなさい。
お土産を頂いたとき、ずっしりとした袋の重さに心の底から懺悔した。

しかも、ホールフーズマーケットのエコバッグに入れて袋毎頂いた。私の気遣いーーーーー😭

ありがとう!本当にありがとう!!


どうしてアメリカの小麦粉が欲しくなったのか。


10年以上前、グアムに行ったときのこと。
マイクロネシアモールのフードコートでサブウェイのサンドイッチを食べたとき、なんじゃこれはという衝撃と、小さな気づきを得たのである。


海外に行くと、ついついやってしまうのが、日本に出店しているファーストフード店との食べ比べだ。

どうしてここまで来て?と同行者には不思議に思われがちだけど、どこの国に行っても高確率でやってしまう。
わたしにとって海外恒例行事の一つだ。

マックなどは違いが判りやすい。パテが肉肉しかったり、お国柄の味付けになったりする。特にデザートメニューが面白い。

カナダのマック


タイのマック


中国マックのデザート



これが当時私が食べたサブウェイのサンドイッチ写真。

※余談 同フードコートのケンタッキーはグアムの郷土料理レッドライスがセットになっていている

アメリカンサイズでデカいだけの何の変哲も無い普通のサブウェイのサンドイッチだ。
多分、ローストビーフとトマトとキュウリとレタスのサンド。

どういった店だったか、どのようにオーダーしたのか、種類はなんだったのか、10年経った今、全く思い出せないのだが、衝撃を受けたことだけは覚えている。

それはバンズの味

ふわっとしたよく言えば空気を含んだ、悪く言えばパサパサ気味のパン

なんだ、これは。
日本のパンではなかなか味わえない食感である。
つまり 不味……いやいや。独特なのだ。
この食感が気になって、スーパーでパンを買って確かめた。

バターを練り込んだはずのクロワッサンもフンワリとしている。

面白い味だなぁ。

日本のパンの殆どが原料となる小麦を海外から輸入し、国内で精製した小麦粉を使っている。

海外も当然自国の精製工場で作られた小麦粉を使っているはずだ。
原料となる小麦粉の味が違えば当然、パンの味も変わってくる。

なるほどーー同じパンでも国によって味が違うのは『食材』そのものの味が違うからかぁ。
それまでは各国の調味料や素材の違いのみに注目していたから、これは大きな気づきである。

そして、いくら現地の調味料を調達しても,帰国してから同じ味を再現できない理由を理解し、日本でこのヘンテコパンを食べることは出来ないのかとがっかりした。

当時は、小麦粉を買って帰って、自分でパンを焼くという発想が無かったのである。

これをふと思い出して、あのグアムで食べたサブウェイのサンドイッチパンを再現できるかもと思い至り今回、お願いしてしまったのだ。

king Arthur bread flour(強力粉)
Bobs Organic Whole Wheat Flour(全粒粉)

この2種類を使って早速カンパーニュを焼いてみた
わたしのパン作りの腕前はイマイチなので申し訳ないのだが、
膨らみがイマイチでみっちりと詰まっているのに、フンワリと軽い食感のパンが焼き上がった。

サブウェイで食べたパンに近い物が出来た気がする。
つまり不味……

ヘンテコパンの完成だ。

モサモサな感じを無事に再現できた。
この変な食感がクセになる、とても好きな味だ。

大変満足した。
忘れられなかったこの異国の味にしばらく浸かろうと思う。



追記
アメリカの小麦粉でパンを作ると大変よろしくない味になるらしく、
『アメリカ パン 不味い』で検索するとでるわでるわ、先達の苦労エピソード。
外国と言えばパン!パンは美味いに違いないと信じて口にした瞬間
あれーーー???という、落差が激しい味わいに私もグァムで衝撃を受けたのですね。










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