MV「暗殺したい！」の謎と種明かし
裏ネタ回答編。やっと見抜いてくれる人がいるのが分かってきたので書く！
MV「暗殺したい！」とは？
私、浜渦正志が “街で見かけた総理大臣を傍観しているだけの自分” から着想を得て、自ら監督・脚本・編集・VFXを担当、出演者・スタッフ・エキストラ合わせて40人を動員して作ったミュージックビデオである。2020年4月6日現在、世界各地の映画祭で最優秀賞数個を含む19個のノミネートを獲得している。
本MVは隠し要素が多数盛り込まれているが、物凄く見つけにくい。いや、見つけられるはずもないと言えるものだらけで、これまで言い当ててくる人は皆無に等しかった。しかし徐々に「なんかやっとるぞ」と気づき始めている人が出てきたようなのと、IMERUATの次の手が見えてきたり色々といいタイミングが来た感じなのでここで公開したい。
「暗殺したい！」公式サイトのSpecialページに「裏ネタ」コーナーがあり、このMVの裏話、秘話を掲載している。↓Specialページリンク。
このコーナーでは、そのネタの深さ、ヤバさによってLevelで分別されており、数字が大きくなるほど「危険度が増す」という感じになっている。あくまで「感じ」である。たとえば次のような感じである。（「感じ」連発は大好きな野球評論家の齊藤明雄さんよりインスパイアを受けました！「バッターに威圧感を全く感じないような感じでやられてるのかなって感じですね」2018年4月7日「プロ野球ニュース」より）
裏ネタ例
一例を抜粋してみる。
Level 1-1 劇中、先客なのに最後までほったらかしにされて怒りのバイオリンを披露する客を演じているのは、日本を代表する本物のバイオリニスト、桑野聖氏である。本楽曲の超難易度のバイオリンソロも全て同氏の演奏である。
Level 2-6 エンディングシーンに総裁にゴマをする「腰巾着＜学園理事長＞」役は、現役の大学准教授である。当初は「学長」という設定だったが、現実世界と照らし合わせるなら私学のトップになるので「理事長」とすべきでは、という彼の指摘により変更となった。
Level 3-3 監督の浜渦が自ら出演しており、完成披露パーティー版（2018年版）では「浜渦正生 内閣官房副官長 / 都特別顧問、国家保証安全局長を歴任 / 大日折返会→量産主義者同盟→自由選民党」という肩書きが記されていた。副官長や安全局長など、いずれも実在しないものであり、もちろん元某副知事とも一切関係が無い。2019年の完成版では海外の視聴者に対応するために「Prime Minister」となった。 ちなみに大日折返会は「大日本」の空目を期しつつも大阪の大日駅で折り返す電車のパロディ、量産主義者同盟は共○主義者同盟のパロディであり、自由選民党まで辿り着いて「転向しまくってるやんけ」と一人でツッコんで楽しむために作った悪趣味極まりない設定である。
Level 3-4 アニメシーンのホタルは、赤いホタルが「闘う市民」、黄色が「不安を感じている市民」、青が「気づきはじめた市民」という、実はかなり重要なキャラクターである。赤いホタルのうちひとつが激しく光った後に消滅しているが、すなわちこれは「抗ってやられてしまった人」ということである。アニメシーンはミナの妄想であり、2番のサビは「多くのホタルが立ち上がっている」という理想が表現されている。ちなみにホタルという名称は便宜上そう呼んでいて昆虫をイメージしたものではない。
という感じで多数の裏要素が紹介されているので、是非公式サイトをご覧頂きたい。そしてこの中でLevel 4だけが「質問編」となっており、謎解きは紹介されていなかった。以下の4つである。
Level 4-1 2回目のサビのモザイクがかかった背景は何…！？
Level 4-2 映像の中に隠し文字が３つある！？
Level 4-3 2番のヘアセットシーンで一瞬止まってリョージ氏が櫛を置くシーンは何を表してるの！？
Level 4-4 1番と2番のサビ（前）の（アニメの）ミナの口パクは何と言ってるの！？字幕にさえモザイクがかかっているけど、ヤバいこと…！？
今日はそれらを「なるべく」紹介していきたい。
裏ネタ 回答編！
Level 4-1 2回目のサビのモザイクがかかった背景は何…！？
2回目のサビ（2分47秒〜55秒）の背景のモザイクは私がテキトーに描いたものである。もちろん音楽業界やゲーム業界の人間などではない。またこのシーンのやりとり上のデータ名は「為政者」であるが、どんな絵が挿入されたかは私しか知らない。しかもその絵は完全に破棄していて、私の脳内にしか残っていない。ビビりすぎである。いきなりだがこの種明かしはここまでとさせていただく。
Level 4-2 映像の中に隠し文字が３つある！？
AメロとBメロの一部の字幕は一文字ずつ高速で表示され、その前に一瞬「IMERUAT」の文字が表示されすぐに本来の歌詞に変換される演出になっているが、一箇所だけ「Japan is over」になっている。1分59秒の場所だ…！（ファミコンの裏技発見レポートを思い出すね）。
問題のシーン
他にも２回目のサビの怒りのヴァイオリンの後のカット（2分57秒〜3分09秒）で、「Help Japan」と「○on○a ○ito○achi」が背景に溶け込んでいる。私が開発の最後の最後に加えたもので、VFXチームも知らない上、どちらも加工しすぎてどこに隠したかすぐに見つけられなくなってしまったほど。4K版でなければ見つけることは困難なので、YouTube、Vimeoの設定は4K（2160HD）を選択して探していただきたい。しかしどこへやったのか本当に分からない。あるのは間違いない。
Level 4-3 2番のヘアセットシーンで一瞬止まってリョージ氏が櫛を置くシーンは何を表してるの！？
実は全く意味が無い演出である。本当はリョージ氏の美技を別撮りするつもりだったが、時間が足りずに断念。逆に意味深にしてやろうと無意味なカットを作った。
意味は無い
Level 4-4 1番と2番のサビ（前）の（アニメの）ミナの口パクは何と言ってるの！？字幕にさえモザイクがかかっているけど、ヤバいこと…！？
「暗殺したい！」はMVを想定して作られた曲であり、サビ前のサビをヴァイオリンだけで演奏している部分は「歌わない歌詞」として設定されていたものである。アニメのMinaがメロに合わせて口を動かしており、また右下に字幕のようなものが出てくるが、モザイクがかかっている。よほどヤバイ歌詞なのだろうというところだが、なんのことはない。
まず1番（1分11秒〜20秒）の口パク歌詞は「あんさつしたい、あいつをたおせ」である。字幕が完全に潰れているように思えるが、実はこれスマホなどの小さい画面で2メートルほど離れて見ると結構読み取れる。是非お試しあれ！
そして2番（2分39秒〜47秒）。「あんさつしたい、おにくたべたい」である。しょうもな！という感じだが、これも一応意味がある。先述の Level 3 - 4 のホタル（市民）と関連するが、結局立ち上がった市民が多くなってきたこと、またこういう決意は得てして続かないもので、徐々に暗殺がどうでもよくなったMinaが小さな幸せを考えるようになってしまったという設定である。…と！先月末、政府が「和牛商品券」案をブチ上げてきたことで、「要求に応えてきたじゃん！」と一人でほくそ笑んでいた。「Giant」といい本作と言い、さすがイメルアは未来ノートユニットだな！…と行きたいところだが、実際は市民も立ち上がってないし、イメルア自身が主人公のとおりヘタレを続けているので当たっちゃいけないんだよ、と。なので、その後主人公が浜渦正生首相を地獄にたたき落とすような後日談を、映像でなくても何かの形で用意したいと思っている。実は助手がエンディングのあと首相のクルマを爆破するとかね（笑）。
確かに肉が食いたそうではある
「おにくたべいたい」を依頼した証拠メール
いずれにしても「暗殺したい！」はまだ終わらない。少し用意しているものがある。そして口酸っぱく言って来ているが、「したい！」んであって「する」とは言っていない。それに表明してしまったらそれは既に「暗殺」ではない。ではまた。