8年目デザイナーがクオリティを上げるために大切にしている3つのこと
はじめまして、デザイナーのhamauniです。
2023年9月に株式会社サイバーエージェントへ中途入社し、DXDesign室でUIデザイナーを担当しています。DXDesign室では日本のDXをデザインで推進する取り組みを行っており、日々クリエイティブに向き合っています。
詳しくはこちらをご覧ください。
今回は、デザイナー歴8年目の私が、これまでの経験を通じてクオリティを上げるために大切にしている3つのことについてお話ししたいと思います。
デザイン迷子やクオリティ向上に悩んだりする方の参考になれば幸いです。
自己紹介
「どんなデザイナーが語るの?」と思うので、自己紹介を簡単にさせていただきます。私は、女子美術大学という所で主にヴィジュアルコミュニケーションについて学び、以下のキャリアを歩んできました。
デジタル広告→サービスのデザインを作るに変わっていったタイプの人間です。
来月で30歳になり、デザイナー歴8年目・・・。
この道のりを振り返り、私なりの学びをここに書いてみます。
1.作るスピードと質を上げる
私が新卒でデジタル制作会社に入社した時、周りはデジタル領域で活躍する優秀なデザイナーばかり。その中で肩を並べるために、まず「圧倒的な経験」を重ねることを目標にしました。
大小問わず「断らない・すべて作る」精神でとにかく実践を積み重ねました。また、当時のトレーナーは熱血タイプの方だったので、デザインツールの使い方から資料作成・プレゼンの仕方など幅広く手取り足取り熱く色濃く教わりました。私の日々は「つくる→先輩にこのままだとやばい言われる→悔しくて泣くか、落ち込む→またつくる→絶望的…」の繰り返しです。不器用だったのでこれを3年ぐらい続けました。
その経験から得た大きな学びは、「スピード」を意識することがクオリティを高める近道だということです。例えば、プロジェクト進行中に即興でプロトタイプやビジュアルイメージを用意し、その場で認識をすり合わせることができれば、意思決定を加速させ、プロジェクト全体を円滑に進めることができます。その結果、デザインのクオリティも自然と向上します。
さらに、クオリティを高めるためには、「幅広い提案ができる力」の習得が欠かせません。多角的な視点や豊かなアイデアを提示できなければ、どんなに早くアウトプットができても、提案そのものが限定的である場合、プロジェクトの可能性を狭めてしまいます。スピード感と幅広い提案力を持続させるために、「インプット」と「アウトプット」の習慣を持ち、泥臭くとにかく作り続けることが重要です。
制作会社時代に培った泥臭く作る習慣と、熱く厳しくトレーナーに言われた言葉が、今の自分を支えてくれていますし、クオリティに直結しています。
(くまさんありがとうございます。わたしはなんとか元気にやってます。)
2.自分の弱みを理解して人・モノに頼る
デザイナーとして成長するために、自分の特性を理解し、それに応じた対策を取ることも非常に重要です。
例えば私の場合、注意散漫で誤字脱字が多いという弱点があります。新卒時代には日報でのミスが頻発し、誤字脱字につき100円貯金というルールを試した結果、2週間で3,000円貯まり、早々に自主終了したほどでした。
そこで、この弱みを周囲に正直に伝え、仕組み化による対策を徹底しました。具体的には以下になります。
ダブルチェックをメンバーに依頼
構成文章をスプレッドシートで整理
生成AIを活用して誤字脱字をチェック
弱みに直面すると落ち込むものですが、抱え込まずに周囲やテクノロジーに頼ることで、時間やエネルギーをよりクリエイティブな活動に費やせます。自分の弱点をしっかり止血することこそ、クオリティ向上のための大切な一歩だと感じています。
3.デザイナーは熱狂的なファンでいる
最後は、「自分が担当するプロダクトやプロジェクトメンバーの最大のファンになる」ということです。デザイナーは職種柄、多くのステークホルダーとやり取りをしながら、制作を進めます。その過程では意見の対立やコミュニケーションの課題が必ず発生します。その中でデザイナーは様々な意見を聞き、脳みそを捻って汗と血を流しながら、体験コンセプトや表層的なアウトプットを作り、開発メンバーや関係者を巻き込んで設計してきます。やっと無事リリースしても、ユーザーの正直な声に耳を傾かなければいけません。
嬉しい言葉もあれば、正直な言葉もあります。
世の中になにかを生み出して提供することは、責任と覚悟が必要です。
心の複雑骨折と共に生きるのです。(遠い目)
しかし、プロダクトやメンバーに対する熱狂的な愛情や興味があれば、困難な状況でも乗り越えるモチベーションを維持することができます。(たぶん)
特に経験した3社すべてに共通していたことは、「心地よいデザインを作る人は、その商材やユーザーに対する理解と愛情が深い」ということ。歴史や特徴、ユーザーのニーズなどを徹底的に調べ上げ、一つひとつのデザインに思いを込めるデザイナーは、モチベーションを保ちつつ、高品質なアウトプットを生み出します。
SaaS系のデジタルプロダクトだと、チームで素早く機能改善開発していくので、心理的安全性を構築してスピーディーに開発することが重要になってきます。定期的なチームビルディング・1on1など、メンバーや環境を深く理解しようとする活動が、良好な関係構築を築き、円滑なプロジェクト進行とクオリティ向上につながります。最初は意見の食い違いがあることも多いですが、「ファン活動」を続けていると、自然とコミュニケーションが取りやすくなり新しい学びや視点を得ることができます。
非効率のように思えますが、結局つくるのは自分含め人です。
デザイナーとして多くの人と関わる立場だからこそ、サービスや商品、プロジェクトメンバーを深く理解し、熱狂的なファンであり続けることが、クオリティを一段と高める鍵だと感じます。
さいごに
今回は、8年目デザイナーがクオリティを上げるために大切にしている3つのことについてお話しました。改めて振り返ると、どれも地道で泥臭い取り組みが中心。当たり前のことかもしれませんが、このコツコツ積み重ねる姿勢こそが、デザイナーとしての成長を今でも支えてくれています。
私が所属しているサイバーエージェントのDXDesign室では、多種多様なスキルを持つメンバーが集い、クライアントビジネスの成長を支援するため日々挑戦を続けています。挑戦の中で自身のクオリティを上げていく環境が整っているので、興味のある方はぜひ覗いてみてください。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
みなさま素敵なクリスマスを。