35歳派遣プログラマの転職活動
35歳の技術者派遣で働くプログラマが転職活動をしたので、振り返りを記録しておこうと思います。同じような立場の人たちの参考になればと思います。
自己紹介
新卒でメーカー系SIerの子会社に就職して、業務系SEとしてキャリアをスタートさせました。その後組み込み系にキャリアチェンジして、現在は技術者派遣会社で組み込み系プログラマをしています。社会人歴は13年になりました。
詳しい内容は以下の記事をご覧ください。
なぜ転職しようと思ったのか
現職の技術者派遣の会社の方針が変わって、自分の方向性と合わなくなってきたことが理由です。
自分の志向としてはプログラミングをやりたくて、できればずっとコードを書いて収入を得たいと考えていました。しかし、会社の方は「ソリューション!コンサル!」みたいな方向に舵を切っていて、人事制度にもその傾向が強く出始めたために次の会社を探すことにしました。このあたりの感覚は、前職をやめたときにも感じたのですが、どうも自分は「コンサル」という単語に反応してしまうようです。
給料の体系が単価連動型ではなくなってしまったのも大きなきっかけでした。ちょっと理想論的な言い方ですが、「自分の利益追及 = 会社の売上拡大」という関係性がとてもわかりやすくて好きだったのですが、定期昇給で一律に給与が上がっていく感じの設計になってしまい、自分にとって魅力が無くなってしまいました。
おそらく新卒や未経験を大事に育てていくための設計なのでしょうが、売上を拡大させる動機が弱くなり、結果的に静かに勤続年数を重ねることだけが重視される会社になってしまったのだと感じました。
年齢について
35歳というと、一昔前まではプログラマの限界年齢と言われていたり、転職市場においても厳しくなってくる年齢と言われていたりする印象でした。実際にはどうかというと、自分の場合は確かに厳しくなっているかもしれない、ぐらいの感触でした。
書類選考の通過率でいうと、正確には数えていませんが20社ほど応募して面接できたのが4社でしたので、大体20%程度です。29歳の時に1回目の転職をしたのですが、同じぐらいの応募数で面接できた企業は3社か4社だったように思いますので、今回の転職が経験ありの業界への転職だったことを考えると思っていたよりも少ないな、というのが正直な感想です。経験的にドンピシャの会社だったのに書類が通らなかった企業もあり、これは年齢のせいだったのかもしれないと思っています。
また、年齢以外にも「社格」という要素があることを今回の転職で初めて知りました。今回は製品を作っているメーカー系の企業に絞って応募していたのですが、現職が派遣会社であることで文化的な齟齬を気にする企業もある、という話をエージェントさんから聞きました。1社だけですが、確かに「現職が派遣会社なのになぜメーカー系?」というところを気にされて突っ込まれた面接がありました。
転職エージェント
メーカー系を志望していたこともあり、とりあえず大きなエージェントに登録した方が確率も上がるだろうという気持ちで、まずはリクルートエージェントに登録しました。その後、ビズリーチで声をかけられたワークポートと、Twitterのフォロワーさんから教えてもらったアカリクというエージェントに登録しました。
個人的には、転職エージェントを使う理由は企業とのスケジュール調整と年収交渉をやりやすくするためなので、システム的に洗練されていたリクルートエージェントはとても使いやすかったです。
その点ではワークポートのシステムは、はっきり言って実用的ではありませんでした。エージェントからの紹介求人がシステムに一覧として表示されるのですが、自分の希望に沿わない求人の場合は辞退をしなければなりません。この辞退の方法が、求人の「辞退」ボタンを押下して別画面で開く辞退理由のアンケートに答えないと辞退できない、というものでした。
求人の紹介数が多くなると、一気に30個以上の求人が一覧に追加されますが、これらを精査して一つずつ理由を入力していくのは苦痛以外の何物でもありませんでした。しかも、その中でも応募したい求人だけに応募してその他の希望に沿わない求人を放置していると、メッセージでエージェントから「辞退なら辞退ボタン押してください。」という催促が来ます。
その点、求人を複数選択して一気に応募したり辞退したりできるようにしているリクルートエージェントはそれなりに考えているなと思いました。そのうえ「紹介求人」と「応募済み求人」の間に「気になる求人」という枠があって、応募企業を吟味するのに助けになりました。
アカリクについては、応募管理のシステムのようなものはなく、LINEでのやり取りが基本でした。求人票のPDF閲覧とか、長めの文章を入力するためにPCを使いたかったので、個人的にはLINEでのやり取りオンリーというのはやりづらかったです。
ただ、アカリクはエージェントの方に恵まれたと思いました。自分の転職理由や複数内定が出た場合に企業を選ぶ基準などを根気強くヒアリングしていただき、自分でもふんわりしていた部分を言語化することができました。
エージェントの人柄だけで決めたわけではないですが、最終的に内定を承諾した企業はこのアカリクからの紹介でした。
面接した企業について
面接までこぎつけた企業について軽く振り返っておきます。
1社目(ハードウェアベンチャー)
製造業向けの測定器メーカーでした。光学系の理論を応用した製品で、独自性も高くシェアを取れそうだと思っていました。正直バリバリのエンジニア集団、という感じだったので書類が通るとは思っていませんでしたが、なぜか通過してしまいました。
メイン言語(C#, Python)の経験不足から落ちてしまいましたが、まぁ妥当なところかなと思います。
2社目(老舗組み込みソフト企業)
今回の転職活動を始める際に第一志望として挙げていた企業です。面接で話を聞いた感じ、自分で想像していた仕事内容とも合致していて企業選びの基準は間違ってなかったと思えました。
内定もいただきましたが、提示された想定年収が現職よりも下がる上に、40時間の固定残業代を含んでいるものでした。月に40時間を1年続けるということは、36協定の特別条項が常に発動している状態ですので、実質的には年収の範囲内でサービス残業をしているようなものだと思います。
さすがに仕事内容が希望通りでも、この給料でこの働き方は容認できないため、辞退しました。
3社目(医療機器メーカー)
医療用のエコー検査機を作っているメーカーです。面接で対応してくれた現場のマネージャーの方がとても人柄がよく、こちらのことも非常に興味をもって聞いてくれた印象でした。仕事内容も「マネージャーよりも手を動かすことが圧倒的に多いけど大丈夫ですか?」という、願ってもない質問をいただいたレベルなので志望度が爆上がりでした。
しかし、何らかの経営的判断の結果、全社的に中途採用が中止されてしまいました。こんなこともあるのかと、半分ネタができたという気持ちもありましたが、とても働きやすそうな職場だったので本当に残念でした。
4社目(ツールベンダー)
自動車業界向けにシミュレーターやテスト支援のためのツールを開発している企業です。面接では技術的な質問が多く、久しぶりに技術者としての力量を試されているような状況でワクワク半分、自分の知識の底が知れてしまうドキドキ半分でした。
最終面接で社長相手にプレゼンがあってビビってましたが、無事に内定をいただけて、最終的にこの会社に転職することを決めました。
年収について
前回の転職活動の経験から、現職の年収レベルが基準になるということは知っていたので、あえて手当などを最大限織り込んだ金額を現職の年収として提示していました。最終的には基本給ベースで4%アップという、年収アップ!と胸を張って言えるレベルではないかもしれませんが、微増という結果になりました。ちなみに基本給ベースという言い方をしたのは、現職のプロジェクトが全社的に売上規模で上位のプロジェクトになっており、ボーナスが平均以上に出ているため、ボーナスも含めて考えると現職と変わらない水準だからです。
ちなみに現在までの年収推移はこちらにまとめています。有料記事ですが、結構赤裸々に書いていると思うので興味のある方はぜひ。
転職したら年収が上がるのか
最近は似たような話題を各所で見かけますが、個人的には儲かっている会社にいけば年収も上がる、というのが事実だと思いました。単純に転職しただけで年収が上がるとは限らず、例えば現在であれば日系の企業から外資系の企業に行けば上がるのかもしれません。
今回の私の転職活動の結果としては、「まぁ下がりはしなかったな。」というのが正直な感覚です。
会社でのポジションと年収
転職活動の結果として年収は上がりませんでしたが、新しい会社に転職するときには少なからず「どれほどのものか」という視点で見られているものだと思います。役職付きで企業の方からヘッドハンティングされたのなら違いますが、基本的には高い買い物にならないようにあまり思い切った年収は提示してこないのではないかと考えています。この状態で転職すると、現職での相対的な立ち位置よりも多少は下の立場での入社になりますので、上がり幅は現職よりも期待できるのではないかとも思っています。
つまり、現職での年収の上がり方が鈍ってきたタイミングで転職することで、年収の上がり方を上方修正することができるのではないかということです。実際には自分の能力の限界まで出世してしまって、なんちゃらの法則よろしく無能な管理職になってしまう時期を早めてしまうだけかもしれませんが、この説の検証結果を自分自身で確かめてみたいと思っています。
まとめ
35歳での転職活動を振り返ってみました。
35歳での転職でも複数内定とって企業を選ぶことは可能
転職すれば無条件で年収が上がるわけではない
自社内でのポジションを相対的に下げることで年収の上がり方を上方修正できるのではないか
という感じです。
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